今回は、ワイヤーローグがtire1の現環境で起こっている一つの事象についてお話します。
というのは建前です。
関心を引きやすくするために、恣意的に主語を大きくしました。反省はしていません。ブログというのはそういうものです。
やーい、引っかかったな、ワイヤーだけに。
ぶっちゃけて言うと、以下に続くのはワイヤーローグを使いこなせない「私」が勝てない個人的な愚痴です。チラシの裏に書くべき落書きです。ですが「ゴキブリを一匹見たら百匹いると思え」という格言もあります。私個人の鬱憤も、同じような思いを抱えてる方が実は大勢いるのかもしれません。鬱憤を共有することで、そういった方々の肩の荷を一緒に背負ってあげることができるかもしれません。
以上を踏まえた上で、この先はお進みください。
まさか自分のことをゴキブリに例える日が来るとはね。
(1)ワイヤーローグ
大前提として、ワイヤーローグはプレイングが難しいデッキです。
プレイングが難しいデッキというのは今までも数多くありました。一見殴り続けるだけの「フェイスハンター」も、盤面処理のバランスが難しいとよく言われます。しかし、そんな今までの議論を過去にして、ワイヤーローグは歴代でもかなり難しいデッキでしょう。最高峰の選手が集うグランドマスターズでもリーサルミスが多発している現状がそれを証明しています。
ワイヤーローグの肝心なところは、難しく、かつtier1デッキというところです。しかも、明確な不利マッチが滑空入りのデーモンハンターぐらいしかない、かなり幅広いデッキに有利を持つ安定したデッキです。複数デッキを採用する大会環境では「使い得」といってよく、実際使用率1~6位までは全ての構成にワイヤーローグが採用されています。
(2)「ガチ」と「半ガチ」
この言葉のもつ意味については諸説あるとは思いますが、今回は以下のように定義します。
・ガチ
A,競技シーンを志向しており、勝つことや上達することを至上の目的としている。
B,毎日数時間ほどハースストーンをプレイしている。もしくは同等のプレイ練度を得るために方法を工夫している。
・半ガチ
A,競技シーンを志向することもある。勝つことや上達することを至上の目的とすることもある。
B,プレイ時間、練度は問わない。
要は「ガチ」=グランドマスター、ラダー上位勢、マスターズツアー常連組、それらと同等の努力をしている人、「半ガチ」=大会とか出るけどやりこんでいるほどではない人、と認識してください。この定義は私自身を「半ガチ」に分類するための恣意的な定義であり、公平な定義ではないことを留意ください。以下、主語を大きくしてそれっぽい雰囲気を出すために「私」と書くべきところを「半ガチ」と置き換えて論を展開します。騙されないように。
(3)ワイヤーローグの練度による大きな振れ幅
ワイヤーローグはプレイ練度が大きく出るデッキです。大荒野環境の「OTKデーモンハンター」も難しいデッキと言われてきましたが、上振れるだけで簡単に勝てることも少なくありませんでした。異端「グルダンの髑髏」からうっかり「イルギノス」「モアーグの加工師」なんて引いちゃったら、どんな相手だろうが簡単に吹き飛ばすことができました。
一方、ワイヤーローグはいくら強いドローをしても、そこから最速のリーサルを出せるかはかなりの練度が関わっています。「現地連絡員」コンボをいつスタートするか、デッキを引ききれるのか、「影隠れ」をどのミニオンに使うか、「秘密の通路」をいつ使うか、「高効率型T4COロボ」をいつ起動するべきか、自分の盤面にミニオンが残りすぎてコンボの邪魔にならないか、呪文ダメージをのせるだけのミニオンの体力はあるか、相手の「教団の新入会員」をケアできるのか、考えるべきことは無限にあります。
「半ガチ」プレイヤーは練度不足のため、「ガチ」プレイヤーと比べてリーサルターンが平均1ターン以上遅れてしまいます。最終リーサルを見据えてのデッキの動かし方が最適化されておらず、さらにはどこでリーサルコンボをスタートすればいいかもわかっていないせいです。
このリーサルターンの差は、特にワイヤーローグのミラーマッチにおいて圧倒的な差になります。
他のマッチであれば「リーサルを出せるか自信がないから、後1ターン待ってコンボを決めよう」がある程度許容されます。しかし、いつ喉元を掻き切られるかわからない、居合の対峙のごときミラーマッチではその1ターンはあまりにも致命的です。
死にます。
そして逆に、それを恐れて速めにスタートを決めて、コンボが決まらずに一人で勝手に死にます。
つまり二倍死にます。
これでは勝てる道理がありません。ワイヤーローグミラーにおいて、「半ガチ」は「ガチ」に対して圧倒的に不利なのです。
(4)現状
「風集うストームウィンド」環境は、今までよりもプレイ練度がものをいう環境になりました。今まで「半ガチ」プレイヤーはじっくり練習する時間がなくても、優勝した構成を拾ってうっかり勝っちゃうことができました。デッキ相性は練度では覆しづらく、環境にマッチした構成を見つけられればそれだけで勝ち進められることも珍しくありませんでした。しかし、今環境ではそうはいきません。
最強デッキであるワイヤーローグを使えないのは明確なハンデであり、使うからには十分なプレイ練度が求められます。
この現状を喜んでいるプレイヤーは少なくないでしょう。「ガチ」プレイヤーにとって、練度がものをいうこの環境は願ったりかなったりなのではないでしょうか。多くのデッキのミラーマッチは必要なものを引けたかの運ゲーになりがちですから、練度が勝敗に直結するワイヤーローグは練習しがいのある素晴らしいデッキとも言えます。事実、多くの強豪プレイヤーがワイヤーローグを使った構成で優勝しています。一方で、「半ガチ」プレイヤーにとっては辛い状況です。練度が足りなければ、どうしても勝ち切ることができません。
現状をどう捉えるべきかは諸説あると思います。
「練習が結果につながるいい環境」でしょうか?
「ガチ勢以外勝てない敷居の高い環境」でしょうか?
どちらもある意味では正しいでしょう。
さて、
長々とした、「半ガチ」の愚痴にお付き合いいただきありがとうございます。
アンダーシティ予選も残すところ後一週。
グダグダ言っていてもしょうがありません。現状は変えられません。変えられるのはいつだって自分だけです。
ワイヤーローグの練度を上げるか、使わないか、気にせず割り切って使うか、いずれにせよ、後悔しない選択をしましょう。
全ての「半ガチ」プレイヤーに幸あらんことを。
「ガチ」プレイヤーは幸なくても実力で勝手に勝ってください。
なんだかんだと言いましたが、結局のところ何が言いたいかというと、
「半ガチ」ども、浮気してる場合じゃねえぞ!?