これからのヨグ=サロン様の話をしよう

Hearthstoneについての自由帳

あの日見たパッチノートの衝撃を僕達はまだ知らない。

【前書き】

今更ですが、最近、ハースストーンのゲームデザインに大きな転換があったことはご存じでしょうか。

ローンレンジャー・レノ死の大車輪!!!時導巻きのザリミ等がナーフされた2024年4月26日29.2.2パッチノートにおいて、以下のような開発者コメントが出されています。

 

~現在、プレイヤーの主体性を失わせし、拡張版4セット分のメタとしては望ましくないほどゲームのパワーレベルを上げているカードが多数あります。このパッチでは、そういったメタの現状を定義している様々なカード、例えばOTKスタイルのカードから、いくらミニオンを出しても無意味と感じさせるほど強力な範囲攻撃効果などに注目しています・

「ハースストーン」には常に、クールで夢のようなカードが存在しています。それは「ハースストーン」を「ハースストーン」足らしめている大切な要素の一つです。しかしながら、そういった種類のカードは時に、使う側と使われる側の感じる楽しさが不釣り合いになることがあります。我々はこの種のカードが、ゲームで最も強力で流行しているアーキタイプを構成することを望んでいません――特に、プレイヤーの主体性が低く感じられるようなメタゲームを生み出すのであればなおさらです。

29.2.2パッチノート

 

 

私はこの文面にかなり衝撃を受けました。

 

その衝撃について説明するとちょっとややこしく、ここ数年のハースストーンの変遷から話さなければなりません。

少々長くなりますが、ゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

 

 

【ハースストーンの変遷について】

 

①カードパワーのインフレ

 

カードゲームは年数がたつごとにカードパワーがインフレしていくものです。ハースストーンはスタンダードローテーションというインフレへの対策をしていますが、それでも完璧に防ぐことはできません。2016年当時、魔法のワタリガラスドルイドのクラスカードとして特別に許された驚異の1コスト2/2スタッツとして脚光を浴びました。2024現在、同スタッツの奇跡の薬売りは中立カードな上にメリット能力までついています。

 

 

カードパワーの多少のインフレは仕方ないものですが、一つどうしても無視できない問題があります。カードパワーが上がると、ゲーム内で発生するダメージ量が増えます。一方、ヒーローの体力は変わりません。基本的には。

そのため、カードパワーのインフレには、ゲームスピードが上がってしまう危険性が含まれています。

 

ヒーローの体力を変えてしまう例外

 

極端な例になりますが、お互いに1/1ミニオンを毎ターン一体ずつ出すゲームでは、先手が出し、後手が出し、先手がヒーローを殴り、後手がミニオントレードをし、と繰り返すことで決着に31ターンかかります。それが2/2ミニオンになれば決着は16ターンと二倍の速さで終わってしまうのです。

そのためにゲームスピードが速くなり過ぎないよう注視し、防止策が必要でした。具体的に言えば、ミニオンのインフレ以上の、回復・除去の強化です。

 

 

どのクラスでも使える汎用的な強力カード、ジリアックスアスタラー・ブラッドスウォーン永遠の炎イグニスジリアックスDX3000等に回復性能があるのはそうした意図が隠されています。

生命奪取キーワード化し、年々増えているように感じているそこのあなた、さすがです。お気をつけて、勘のいいガキは嫌われますよ。

 

 

②強くし過ぎざるをえなかった除去

 

次に除去についてですが、まず、ハースストーンの除去は弱いです。

 

待って、待って。

ため息ついてブラウザバックしないで、もう少し聞いてください。

 

ハースストーンのゲームシステム上、除去はどうしても弱いのです。

私はMTGマジック・ザ・ギャザリング)というカードゲームもかじっていたのでその比較になるのですが、MTGは相手ターンにも使える除去が基本であり、重宝されます。相手ターンに使えると、後で出てきたより強いミニオンを除去したり、強化呪文や突撃に対応できたりと、使い方に融通が利くからです。自分のターンにしか使えない除去は全体除去など、特殊な強みを持つものに限定されがちです。

ハースストーンはそのゲームシステム上、自分のターンにしか除去を使えません。MTG基準で言えば、この時点でかなり弱いのです。

ただでさえ除去にはその性質上、「雄たけびや急襲・突撃は防げないので除去してもその分は損になる」「ゲーム展開や相手のデッキ次第で腐りやすい」という弱みを持っています。

こんなにも除去は弱いのに、①で述べたように、カードパワーのインフレに対応するために除去は強くある必要があります。

一見困難なこの問題を解決する方法は一つしかありませんでした。

 

それは極めて単純明快、「めちゃくちゃ強い除去を作る」です。

 

その結果、強くし過ぎた除去がナーフされ続けることになりました。

しかし、仕方がなかったとも言えます。

「めちゃくちゃ強い除去を作る」ことが必要な理由があったのです。

 

仕方なかったんだ、許してくれ

 

 

③カード生成が多すぎた反省

 

以前カード生成の変遷についての記事でも触れましたが、ハースストーンは一時期カード生成が多すぎて批判された時期がありました。その反省から、カード生成を減らし、デッキ内のカードが勝敗を決するようにしたいと当時の開発者Dean Ayala氏は答えています。

 

~私たちはカード生成カードを減らしたいと思っています。そのため、これまでよりデッキに採用されているカードによって勝利が決まります。

クラシックフォーマットに比べれば、まだまだ多くのカード生成カードがありますが、ここ1、2年はかなりその数を減らしています。

BeerBrick 開発者のDean Ayala氏がコミュニティの質問に回答(3月18日)

 

このインタビューは2021年荒ぶる大地の強者たち実装時のもので、事実として、この二年前のドラゴン年(爆誕!悪党同盟突撃!探検同盟激闘!ドラゴン大決戦)と比べて、カード生成を減らし続けていました。しかし、減らしているとはいってもカード生成によるバリューや対応力の価値は高く、なおもゲームの大きな部分を占めていました。「デッキに採用されているカードによって勝利が決まる」とはとても言い切れない状況です。当時の最強デッキはコントロールプリーストで、死者蘇生セセックのヴェールウィーヴァー等のカード生成効果が大活躍していました。

「デッキに採用されているカードによって勝利が決ま」るためには、カード生成によるバリューや対応力では解決できないほどの、強力な決定力をデッキに持たせる必要がありました。それが、次拡張の風集うストームウィンドで有言実行されます。連続クエストの多くは強力な決定力をもっており、カード生成だけでは太刀打ちできません。

 

連続クエストの強力な決定力

 

これもブログに書いたことがあるのですが、この環境でコントロールは死滅し、自分のデッキの強い動きをぶつけたもん勝ちな世界が幕を開けます。

カード生成批判へのアンサー、「デッキに採用されているカードによって勝利が決ま」る環境が、ついに実現したのです。

 

その後も、連続クエストのように強力な決定力を持つカードは随時登場し続けます。ちなみに、②で述べたように除去は意図的に強力にしてあるため、単純なミニオン展開だけではなかなか勝負は決まりません。

盤面に頼らずに勝つことができる、強力な決定力を持つフィニッシャーが求められ、登場し、暴れ散らかし、多くの場合やりすぎてナーフされてきました。

ただ、これも②と同じように仕方がなかったのです。

上述したように、強すぎるフィニッシャーを作ることが必要な理由があったのです。

 

仕方なかったんだ、許してくれるよな

 

逆に言えば、強力なフィニッシャーたちによって「デッキに採用されているカードによって勝利が決ま」る世界が実現したので、カード生成を減らす理由はなくなりました。いくらカード生成をしようと、その影響力はフィニッシャーに遠く及びません。カード生成の変遷についての記事でカード生成効果が最近増えてきているという結論がでましたが、それは決してブリザードが鳥頭でカード生成を減らすことを忘れたわけではなかったのです。

カード生成自体は面白く本来評価も高かったのに、カード生成のゲームへの影響力が高くなりすぎたのが問題でした。

「デッキに採用されているカードによって勝利が決ま」る環境が実現したため、カード生成を増やしても問題ないと判断された故なのです。

 

 

【パッチノートの衝撃】

 

ここで改めて前書きに置いたパッチノートをもう一度読んでみましょう。

 

~現在、プレイヤーの主体性を失わせし、拡張版4セット分のメタとしては望ましくないほどゲームのパワーレベルを上げているカードが多数あります。このパッチでは、そういったメタの現状を定義している様々なカード、例えばOTKスタイルのカードから、いくらミニオンを出しても無意味と感じさせるほど強力な範囲攻撃効果などに注目しています・

「ハースストーン」には常に、クールで夢のようなカードが存在しています。それは「ハースストーン」を「ハースストーン」足らしめている大切な要素の一つです。しかしながら、そういった種類のカードは時に、使う側と使われる側の感じる楽しさが不釣り合いになることがあります。我々はこの種のカードが、ゲームで最も強力で流行しているアーキタイプを構成することを望んでいません――特に、プレイヤーの主体性が低く感じられるようなメタゲームを生み出すのであればなおさらです。

29.2.2パッチノート

 

「OTKスタイルのカード」

「強力な範囲攻撃効果」

問題とされているこの二つは、強力なものである必要がありました。

強すぎたのは、確かにその通りです。しかし、決して、偶然やテストプレイ不足だけで起こったものだとは思えません。カードパワーのインフレに対応するために、デッキに採用されているカードによって勝利が決まるために、これらは強くなければなりませんでした。

 

それらがゲームの主になることを望んで、今まで作ってきたんじゃないのか。

そうでなければ、強力範囲攻撃効果とOTKを大量に登場させ続けた説明がつかないじゃないか。

という、梯子を外されたような衝撃が私にはありました。

 

「使う側と使われる側の楽しさが不釣り合いになる」のは理解できます。急なOTKでゲームが終わるのは理不尽に感じますし、せっかく並べた盤面を強力な範囲攻撃効果で簡単に対処されるのは面白くありません。

 

では逆に、それらがない場合はどうなるでしょうか。

 

OTKがなければお互いリソースを消耗し続ける間延びしたゲーム展開になります。

強力な範囲攻撃効果がなければ一方的な展開に蹂躙されるゲーム展開になります。

これらはあくまで極論です。このような極論の文句はいつでも言えるので気にしてはきりがありません。

ただ、極論ではありますが、こうした危険性自体は確実にあるのです。

 

 

【今後のゲームデザイン

 

パッチ29.2.2の予告の際に、バランス調整について以下のような開発者の洞察が出されています。

 

このパッチでは、私達が通常行っているような特定のメタの健全性の問題を修正するのではなく、スタンダードの全体的な健全性に現れた問題に対処しようとしています。デザインチーム内で警鐘がなり始めたのは、最近のハースストーンのパワーレベルが、年1回のローテーション後も、全くと言っていいほど下がっていないように見えることに気づいたときでした。特に超効率的なAOE盤面除去や、十分なカウンタープレイがないOTKデッキ、そして時導巻きのザリミローンレンジャー・レノ死の大車輪!!!のような強力なレジェンドがゲームを終わらせる、あるいは事実上ゲームを決定づけるほどの変化をもたらす傾向があります。これらのカードは、使用しているプレイヤーにとっては非常に楽しいものですが、使われる側にとっては、自分にほとんど主体性がないと感じられることが多いのは明らかです。

プレイヤーの主体性を全体的に高めることは、今回のパッチで私達が重視したことであり、流行中の強力で主体性を低く感じさせるカードやデッキタイプの傾向が逆転したと感じられるようになるまで、重視していくでしょう。私達はエキサイティングで夢のような低主体性のカードが存在することは問題ないと考えていますが、それがゲーム中で最も強力なのであれば話は別です。

最新拡張では、これらのカードのデザインの多くが強力なメタ候補になることを許してしまいました。最終デザインチームのリードデザイナーである私の責任は、そうならないようにすることです。このパッチが、このような過ちをいくつかの軌道修正のための大きな一歩になることを期待していますし、このような大きな変化の後にプレイヤーからのフィードバックを注視することで、ペガサス年の今後の拡張セットにとっても良いものになることを願っています。

BeerBrick パッチ29.2.2予告:バトグラ&構築のバランス調整

 

要はバランスの問題です。

 

OTKがあってもいい。

強力な範囲攻撃効果があってもいい。

ただ、それらがゲーム中で強力すぎて、それらばかりになってしまうのはよくないというだけの話です。それらは「低主体性」のカードであり、「存在することは問題ないと考えていますが、それがゲーム中で最も強力なもの」であることはよくないと開発者側は明言しました。

 

この考えは、今まで強力範囲攻撃効果とOTKを大量に登場させ続けたことと矛盾します。

つまりこれは、今後は強力範囲攻撃効果とOTKを控える、もしくは強すぎないものにするという、一大方針転換宣言なのです。

 

また、「いくつかの軌道修正のための大きな一歩」と言っていることから、将来のゲームバランスの調整が複数あることを示唆しています。実際にこの後の5月14日29.4パッチノートで深層採掘工ブラン鞍を置け!のナーフ、パッチ日未定29.4.2パッチノートで溶岩の巨人決斗!のどが渇いた流れ者のナーフと、高頻度でナーフが発表されました。

今までは、強力範囲攻撃効果とOTKにあふれた世界であることが前提として他のカードもデザインされてきました。転換した方針に他カードも合わせるために、今後もバランス調整が繰り返されると予想されます。

 

 

【まとめ】

 

「プレイヤーの主体性を全体的に高める」とは耳障りのいい言葉です。

ただ、それが具体的に何を指すのかはまだ判断がつきません。

 

少し気になるのは、一度は反省した大量のカード生成が主だったゲーム体験は、プレイヤーに状況ごとの選択を何度も迫る「主体性」のあるものでした。

カード生成効果が増え続けている現状と合わせて、もしかしてまた大量生成時代に逆戻りするのではと、どうしても憂いてしまいます。

幾度のバランス調整を経て、発掘ローグがどんどん台頭してきているところも含めて、なんだか怪しくないですか?

 


また、主体性を高めきられずに、結局弱体化してもなお健在なOTKと強力範囲攻撃効果に頼るだけという、元の木阿弥な結果に終わらないかとも憂いています。カード生成の減少もデザイン変更が実際のゲーム体験に影響するまで2年ほどかかっているため、こちらはある程度仕方がないのかもしれません。

 

 

繰り返しになりますが、結局はバランスの問題です。

どちらが絶対正しい、面白いといったものではないし、そもそもプレイヤーによって好みも違うでしょう。

 

 

身もふたもないことを言えば、憂いたところでどうにかなるものでもありません。

 

ただ、ゲームデザインに大きな転換があったことを皆さんと共有してみたくて、今回筆を執りました。

 

オーダーはシェフに届かないのですから、私たちにできるのは、出された料理をおいしく食べることだけです。

栄養バランスの取れた、おいしい料理が出てくることを、今は楽しみにしておきましょう。

ハースストーンカード生成変遷検証その② カード生成全盛期と真の全盛期

その①からの続き

 

⑥ドラゴン年

文書管理官エリシアーナ

 

 

覚醒者エリーズ

 

這い寄る悪夢ガラクロンド

 

ついにG度100の大台突破。おめでとうございます。

ドラゴン年はカード生成全盛期といって間違いないでしょう。

算出方法上高得点を叩きだす大量山札追加カードである文書管理人エリシアーナ解き放たれしイセラ、無限リソース系ヒーローカードである名状しがたきガラクロンド這い寄る悪夢ガラクロンド、と高G度組も目立ちますが、そもそもの量が圧倒的。ドラゴン年を通して一貫して出続けた「悪の手先」、激闘!ドラゴン大決戦の「祈願」(プリーストとローグ)と、そもそもカード生成効果がテーマになっているので生成カードが大量にあります。

また、すっかり定着し大量に追加された「発見」、「悪の手先」とカード生成の質も劇的に上がっているため、実際にスタンダード環境で使われることも多くなりました。カード名一覧だけで見ても、今までより見覚えのあるカードが多いのではないでしょうか。

さらに言えば「悪の手先」からもカード生成がされるので体感G度はさらに高いです。G度10だった最初期と比べて、とんでもない時代になったものです。


⑦フェニックス年

レディ・リアドリン

 

幻影ポーション

 

錆鉄の使者ラストウィックス

 

減ってる!?

 

個人的にはドラゴン年+フェニックス年のときがカード生成全盛期だと思っていたので、フェニックス年のG度の伸びなさは正直意外でした。

天文術師ソラリアンに代表される「転生」シリーズ、コストの無駄がなく使いやすい発見の「予習」シリーズと各クラスにカード生成が配られてはいるのですが、ドラゴン年とくらべて1枚で高G度を稼ぐカードがなかったことが、G度低下の原因でしょうか。

魔法学院スクロマンスから登場したデュアルクラスカードにワンド泥棒死者蘇生といった優秀なカード生成があり、見た目のG度よりも実際には多くのデッキで使われたのかもしれません。



グリフォン

大ドルイド・ナラレックス

 

火付け

 

ドラゴン滅ぼしの一矢

めちゃくちゃ減ってる!?

リザード、信じていいのか!?

 

G度は横ばいなことはあっても基本的には右肩上がりでした。ほぼ半減ともいえるこの激減は革命的です。烈戦のアルタラックなんて、カザカサン30度というバグみたいな数値を抱えながらたった58度。明らかに、デザイナー側からのカード生成効果を減らそうという意図が表れています。

また、風集うストームウィンドで登場した連続クエストシリーズはスタンダード環境に大きな影響を与えました。連続クエスト報酬はどれもゲームを速やかに終わらせるパワーを持っており、いくらカード生成をしたところで太刀打ちできません。

ちなみに、烈戦のアルタラックには今まで高G度を稼いできたヒーローカードが全クラスに追加されましたが、そのどれもがカード生成効果を持っていません。今まで定番と化していた無限リソース型ヒーローカードは、ここで大きくその方針を転換することになりました。

 


ヒドラ

巨大スレッシャー・ネリー

 

なりすまし

 

シスター・スヴァルナ

 

やっぱり減ってる!?

そりゃそうだ、ブリザードが嘘言うわけないもんな。

リッチキングの凱旋で多少上がっていますが、新クラス追加の影響を考慮すれば許容範囲、ですよね?

 

深淵に眠る海底都市で登場した「海底探査」にも、デザイナーのカード生成を減らそうという意図が垣間見えます。「カード生成は減らしたい」「発見のようなプレイヤーの選択機会は増やしたい」この折衷案で生み出されたのが「海底探査」だと推測しています。強すぎず弱すぎず、地味にプレイヤーを助けてくれる良システムでした。



⑩オオカミ年

カメラマンのフィズル

 

自然の番人フレイヤ

 

アゼライトのサソリは発掘報酬でありコレクション可能カードではないので基本G度カウント範囲外ですが、これをカウントしないのは違うだろうと判断したため特例でカウントしています。

バッドランドの精霊

ん、んんんん?????

リザード君、どういうこと????

 

バッドランドの決斗、お前がナンバーワンだ。

今までG度1位だったドラゴン大決戦を、30度以上つき離してのダントツ生成拡張がここで誕生します。バッドランドの決斗は「発掘」と「ハイランダー」の2つをテーマとした拡張で、「発掘」がすべてG度を稼いでしまうのが一つの原因でしょう。ついでにいえばハイランダーカードもレアストラーザバッドランドの精霊と高G度を稼いでいます。

ただ、上述したセット特有の事情だけでは、オオカミ年1年を通しての平均的なG度の高さは言い訳できません。インフィニタイズザマキシチュードカメラマンのフィズルという大量生成カードもありますし、そもそも生成カードの量が圧倒的です。単純に表が長すぎます。書き出していてびっくりしました。ドラゴン年の生成効果持ちカードの枚数合計は76枚、オオカミ年は106枚と単純な枚数からして格が違います。

先ほどはドラゴン年がカード生成全盛期だと言ってしまいましたが訂正します。

真の全盛期はここにありました。

 

 

⑪ペガサス年



大空の母アヴィアナ

どうやら、オオカミ年で方針転換された、カード生成を再度増やしていく流れはペガサス年も続いていそうです。

大空の母アヴィアナの30度が押し上げてる面もありますが、ウィズバンのワクワクワークショップはまだミニセットが出ていない段階ですでに90度超え。ミニセットを含めれば100点の大台越えはほぼ間違いないでしょう。

2,3枚の複数生成カードが多いのがウィズバンのワクワクワークショップのカード生成の特徴です。カード生成をするなら複数枚生成するぐらいじゃないと時代に追いつけない、ということでしょうか。

 

 

・まとめ

ハースストーン全拡張のG度変遷をまとめたものが上のグラフになります。

 

「カード生成効果は減らす」

リザードが言ったことは間違っていません。

激闘!ドラゴン大決戦を一つのピークとして、カード生成効果は確実に減っています。

 

減らす。減らしはしたが、減らし続けるとは言っていない。

 

ドラゴン年がカード生成の全盛期ではありました。しかし、全盛期が一度とは限らなかったのです。

 

全盛期は、「2度」あったッ!

ハースストーンカード生成変遷検証その① Generate度数(G度)を添えて

「カード生成効果が多くなり過ぎた、これからはカード生成効果を減らしていくつもりだ」

 

一昔前、こういった趣旨がデザイナーからよく聞かれました。

「発見」に代表されるカード生成効果は今やハースストーンの華であり、デッキ外のカードプールにも意味を持たせるDTCG特有の面白いシステムです。

しかし、それが続くにつれ、いくらなんでも多すぎだと顰蹙を買うようになりました。

ゲームの冗長化、過度のRNG要素等、カード生成効果による不満がユーザーから出るようになり、「カード生成効果は徐々に減らしていく」と明言されるようになりました。

 

 

本当か?

 

 

首なし騎士

インフィニタイズザマキシチュード

シスター・スヴァルナ

 

なあ、ブリザード、信じていいのか?

 

そんな疑問に終止符を打つべく、今回は「カード生成効果は減ったのか否か」を検証するため、歴代拡張のカード生成効果の程度を調べてみます。

単純に生成効果持ちカード枚数を数えるだけではカード生成の量、質がゲームに与える影響を無視してしまうため、Generate度数(G度)というものを開発してみました。

まず、カード生成効果を「カードを新たに生成し手札または山札に加える効果」と定義します。そして、カード生成の質に以下のような点数をつけ、生成枚数を乗することでG度を求めます。

価値なし(1/1やスペアパーツ等)          ・・・0点(計上しない)

ランダム生成やデッキには入らないレベル        ・・・1点

発見やデッキに入るレベル、またはそれに準ずる レベル ・・・2点

特殊パワーカード                   ・・・3点

 

例を上げれば

 

このようにして各カードのG度を算出し、各拡張ごとにその合計を求めて、カード生成効果の変遷をまとめていきます。なお質や生成枚数のブレがある場合は私の独断で決めます。異論は認める。

この算出方法がガバガバなのは百も承知なんで、昔のカード振り返りのエッセンス程度の認識でゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

 

ここまでが前置き。

思いのほか前置きが長くなってしまいました。

では実際に歴代拡張のG度を見てみましょう。

 

①原始時代 前期

 

イセラ/Ysera - ハースストーン日本語Wiki HEARTHSTONE MANIAC

 

 

 

ウェブスピナー

ネプチュロン

 

ネファリアン

 

今や当たり前にあふれかえっているカード生成効果ですが、初期のG度は10前後と、非常に珍しい効果でした。それも、イセラネプチュロンネファリオンといったレジェンドカードに許された特別な能力、といった位置づけです。

 

②原始時代 後期

ネクサスの勇者サラード

 

 

イセリアルの召術師/Ethereal Conjurer - ハースストーン日本語Wiki HEARTHSTONE MANIAC

 

グランドトーナメントはカード生成効果が増え、G度は20近くに迫ります。とはいえランダム生成はやはり使いづらく、実際に構築シーンで使用されることはほとんどありませんでした。

リーグ・オブ・エクスプローラは「発見」が登場したセットで、発見の点数をランダム生成の二倍にしてる算出方法のため、アドベンチャー型拡張(現在のミニセットと同等)ながら20超えと、G度に急激な伸びが見られました。

 

③クラーケン年

シャドーキャスター

 

マルシェザール公爵

 


カザカス

「発見」が登場してすぐ大人気になり大量追加される、というわけではなく、しばらくグランドトーナメントと同等のG度の横ばいが続きます。

グランドトーナメント強盗で示唆されたローグの対戦相手クラスからの生成(現在は他クラスからの生成に変更)の定着や、カザカス白眼でついに登場したコレクション可能カードとは一線を画す特殊パワーカード生成の登場など、現在につながるカード生成の特徴が随所にみられます。

 

④マンモス年

『ハースストーン』新拡張「大魔境ウンゴロ」新カード12枚が公開! | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

 

死線の追跡者レクサー

 


ロークデラー

沼地の女王(クイーン・カルナッサ)は算出方法故の一種のバグとして無視するとしても、大魔境ウンゴロのG度の伸びには目を見張るものがあります。あっちにもこっちにもカード生成だらけ。ハースストーンカード生成変遷上の一つの転換期といえるでしょう。大生成時代の幕開けです。

次の凍てつく玉座の騎士団もヒーローカードが初登場したせいもあって高いG度になりました。死線の追跡者レクサーベネディクトゥス大司教虚ろのヴァリーラ死人の手札、と一枚でG度10越えのカードが四枚もある驚異の大量生成拡張になっています(驚異のデッキとかけている)。

 

ワタリガラス

アザリナ・ソウルシーフ

 

狂気の天才ドクター・ブーム

 

呪術司マラクラス

 

ワタリガラス年のG度は三拡張とも40~50で安定しています。マンモス年は一部の大量生成カードが数値を跳ね上げていたことを踏まえれば、ほとんど同じといって差し支えないでしょう。カード生成変遷としては、前年度からの大きな変化は見られません。

この二年で「発見」もすっかり定着し、この頃にはハースストーンの基本的システムとしてでかい顔をしています。死線の追跡者レクサーから始まった無限バリューヒーローカードシリーズに、魔女ハガサ狂気の天才ドクター・ブームと続いてことで、こうした無限バリューが一つの定番となりました。

 

その②に続く

コントロールウォリアー歴代フィニッシャー博覧会

2024年3月29日のパッチノートにより、スタンダードのバランス調整が行われました。その中には、長くコントロールウォリアーのフィニッシャー(盤面を抑えた後、ゲームを終わらせる役割を担うカード)を務めてきた第一任命者オーディンも含まれていました。

 

 

オーディンは歴代で見ても屈指の強さを誇るフィニッシャーで、愛用していた方も多いのではないでしょうか。

今回はそんなオーディンへの哀悼の意を込めて、歴代のコントロールウォリアーのフィニッシャーについての記事です。

フィニッシャーの三要素

①破壊力(出せるダメージ量、バリュー等の相手を倒す能力)

②スピード(ゲームに勝利するまでの速度)

③安定性(構築の容易さや妨害耐性等)

を基準に、歴代のフィニッシャーたちを振り返ってみましょう。

 

 

グロマッシュ・ヘルスクリームアレクストラーザ(クラシック)

破壊力  ☆☆★★★

スピード ☆☆★★★

安定性  ☆☆☆☆★

初期のウォリコンは特定のカードに頼るのではなく、バロン・ゲドン炎の王ラグナロス等の高バリューカードたちで押しつぶすのが主でしたが、それでもあえて挙げるとすればこの二枚でしょう。アレクストラーザで相手のライフを15にしてから、グロマッシュ・ヘルスクリームのバーストダメージでコントロール展開から一気にゲームを畳みます。またこれらはそれぞれ体力回復、ミニオン除去と、フィニッシャー以外の仕事をできる点が優秀。

ロングゲームになると絶対勝てない、対ロード・ジャラクサへの貴重な勝ち筋でもありました。



エリーズ・スターシーカー(リーグ・オブ・エクスプローラー)

破壊力  ☆★★★★

スピード ☆★★★★

安定性  ☆☆★★★

コントロール対決で真価を発揮したフィニッシャー。

対コントロールではデッキの多くを占める除去や装甲、ドローが無駄牌になるため、それら無駄牌をランダムなレジェンドに変えてバリューでの勝利を目指します。今見ると弱すぎて卒倒しそうになりますが、デッキ外リソースが全然なかった太古のハースストーンでは、これでも貴重なバリューカードでした。

 

クトゥーン(旧神のささやき)

破壊力  ☆☆☆☆★

スピード ☆★★★★

安定性  ☆☆☆★★

破滅の招き手による復活を含めると合計50点近いダメージを叩き出す破壊神。

クトゥーンを育てるための専用カードが多く必要でしたが、それらも単体性能で強かったのがクトゥーンウォリアーを成立させた要因です。「クトゥーン本体より双皇帝ヴェク=ロアを使いたい」とはよく言われたもの。シルヴァナスクトゥーンを奪われると破滅の招き手経由の復活ができなくなるので、シールドスラムで自壊させるおしゃれテクニックもありました。

 

ファイアプルームの中心で(大魔境ウンゴロ)

破壊力  ☆☆☆★★

スピード ☆☆☆★★

安定性  ☆☆★★★

新登場のクエストシステムでウォリアーに配られたカード。ラグナロスの武器を手に入れるという設定で、ヒーローパワーがランダム8点ダメージになります。挑発ミニオンを使うとなぜ武器が手に入るのかは不明。

デッキ切れまで耐えることが基本戦術だったウォリコンに中盤から恒常的な攻撃手段が手に入るのは斬新でした。除去と挑発によるアグロ耐性、報酬によるコントロール耐性と一見隙がないように見えるのですが、無敵の対コントロール性能を誇る地底の大洞窟に蹂躙されることになります。

耐えているだけで勝てる対アグロ勝負ではフィニッシャーは不要なため、クエストをマリガンで返すという、クエストデッキらしからぬ一面もありました。

 

狂気の天才ドクター・ブーム(博士のメカメカ大作戦)

破壊力  ☆☆★★★

スピード ☆★★★★

安定性  ☆☆☆☆☆

狂気の天才ドクター・ブーム

ついに登場したウォリアー待望のヒーローカード。デスナイトなんてなかった。

雄たけびがまず強力で、自分のメカはすべて急襲を得ることで、メカ全てを除去として活用できるようになります。オメガ・アセンブリのパワーを底上げし、他の追随を許せない盤面制圧力を誇りました。

ヒーローパワーも毎ターンランダムに選ばれるとはいえどれも強力で、特に「装甲を7得る」「メカを一枚発見する」が優秀でした。オメガ・デバステイターを無限に発見されて無限に除去され続けたのも懐かしい思い出です。

「ゲームに勝つ」というより「ゲームに負けなくなる」タイプのカードなので、フィニッシャーとしての「破壊力」「スピード」は低め。除去性能は圧倒的なのですが、対コンボデッキなどでは無用の長物になってしまいます。

 

爆弾(爆誕!悪党同盟)

破壊力  ☆☆☆★★

スピード ☆☆☆★★

安定性  ☆☆☆★★

 

相手のデッキに爆弾を埋め続けてダメージを蓄積させて勝利する爆弾デッキがここで登場します。爆弾を引きさえすれば、レンチカリバー一枚で4コスト16点というファイアボールも真っ青の驚異のコストパフォーマンスです。武器強化も合わせれば威力はさらに跳ね上がります。

また、次拡張の突撃!探検同盟激闘!ドラゴン大決戦にはハイランダーカード(自分のデッキに重複しているカードがない場合に効果発動)が含まれており、その妨害としても働きました。翌年の灰に舞う降魔の狩人で武器をサーチできる海賊の隠し武器を手に入れて、デッキが大幅に強化されます。

財宝荒らしによる再装備も狙っているので、対策としての武器破壊はまだ許せても、コボルトの棒ドロにはよく完封されました。

 

ラトルゴア(魔法学院スクロマンス)

破壊力  ☆☆☆★★

スピード ☆☆★★★

安定性  ☆☆★★★

ラトルゴア

実質9コスト55/55のスーパースタッツ。弱点となる沈黙などが環境にほとんどなかったことも追い風で、特に対ウォリコンでは「先にラトルゴアを出したほうの勝ち」といわれる最強カードでした。血盟の傭兵で増えてしまうのも困りもの。ラトルゴアを倒すためだけに鉄嘴のフクロウが使われることもあったりなかったり。

ところで、こいつは基本「ウアアアアアアアア」みたいな鳴き声なんですが、登場ボイスは「ラトルゴアアアアアア」なんですよね。実は喋れるのか、鳴き声がラトルゴアだからラトルゴアと名付けられたのか、気になって夜しか眠れません。鳴き声にしては流暢すぎんか?

 

サイラス・ダークムーン+結魂のアッシュタン+シールドスラム(ダークムーンフェアへの招待状)

破壊力  ☆☆★★★

スピード ☆☆★★★

安定性  ☆☆☆☆★

だれも見向きもしなかったカスカードが、シナジーによって急遽大活躍するのがカードゲームの面白いところ。灰に舞う降魔の狩人で登場していたカスカード結魂のアッシュタンもその一枚。サイラスによって相手にアッシュタンを押し付け、そこに大量装甲からのシールドスラムをぶつけることでOTK(One Turn Kill)を狙います。

サイラスシールドスラムもコンボとして使わなくても優秀で、アッシュタン一枚以外デッキの枠を圧迫せず構築が容易でした。また、サイラスは前述したラトルゴアへの完全対策カードにもなります。

 

メタルの神E.T.C血盟の傭兵+空飛ぶほうき(ダークムーンフェアへの招待状)

破壊力  ☆☆☆★★

スピード ☆☆☆☆★

安定性  ☆☆★★★

血盟の傭兵ETCを増やし、空飛ぶほうきで全員に急襲を付けることで、ミニオン一体殴るたびに増えた分のETCの数だけ能力が誘発しOTKを狙います。前述のサイラスOTKは大量の装甲を必要としましたが、こっちはそういった準備が不要。一方で、相手の場にこっちのミニオンが殴れる相手がいないとコンボが成立しないという欠点もありました。

特にコントロールミラーでは相手の場にミニオンが少なく殴り先がいないことが起こりやすいのですが、その例外がラトルゴア。圧倒的な場持ちの良さが災いし、ETCコンボの格好のお膳立てとなってしまいます。

 

ガルヴァンガー隊長前線に出るぞ!+バトルグラウンドのバトルマスター無貌の操り手(烈戦のアルタラック)

破壊力  ☆☆☆☆☆

スピード ☆☆☆★★

安定性  ☆☆★★★

前線にでるぞ×2からガルヴァンガーバトルマスター操り手×2と出すことで10コスト54ダメージを叩き出すOTK。当時は風集うストームウィンドで登場した連続クエストによるコンボデッキ環境で、ウォリコンで耐えることは困難な冬の時代でした。「耐えきれないなら先に相手を倒せばいいじゃない」ということで、同拡張で登場した歴代ウォリコン最強AOE氷盾粉砕破氷結バックラーのサポートもあり、久しぶりにウォリコンが復活します。

コンボパーツが6枚と多いうえにフィニッシャーとしてしか使えないという不器用さが玉に瑕。貪り喰らうものミュターヌスガルヴァンガーを食べられでもしたら泣くしかありません。

 

カザカサン(烈戦のアルタラック)

破壊力  ☆☆☆☆★

スピード ☆★★★★

安定性  ☆☆★★★

ドラゴンを事前に4体使用することで、自分のデッキを宝物デッキへと変えることができます。どの宝物が手に入るかランダム要素もありますが、ほとんどが常識の枠を外れたトンデモカードで、そのバリューで相手を蹂躙できます。そのトンデモぶりは、同じランダムデッキ変化のエリーズ・スターシーカーが見たら泡吹いて倒れるレベル。あまりのバリューにイナゴだァーーッ!!!は後に宝物リストから消されてしまいます。

ただ、ランダム要素よりも、イナゴ削除よりも、もっと深刻な問題点がありました。日食野生の心のガフによって、ウォリアーよりも百倍カザカサンを強く使えるドルイドが同環境に存在したことです。

 

巨大スレッシャー・ネリー(深淵に眠る海底都市)

破壊力  ☆★★★★

スピード ☆☆☆☆☆

安定性  ☆☆☆☆★

海賊三枚を発見し、しっぽが壊れたら1コストのそれらを手札に加える超大型界の元祖最強生物。当時はスタンダードローテーション直後で発見カードプールが狭く、ミスター・スマイトを高確率で発見することができ、スマイトがいれば15点前後のバーストダメージへとつながります。3ターン目深淵よりのものから4ターン目ネリーにつなげ、そのままテンポで殴りきるのが当時のウォリコンの最強ムーブでした。コントロールとは?

「海賊のコストが1になる」から「海賊のコストが1減る」という近年珍しい冗談みたいな極大ナーフを食らい、超大型最強生物から最弱生物へと一気に沈没させられます。


第一任命者オーディン(タイタンの目醒め)

破壊力  ☆☆☆☆☆

スピード ☆☆☆☆☆

安定性  ☆☆☆☆☆

第一任命者オーディン/Odyn, Prime Designate - ハースストーン日本語Wiki HEARTHSTONE MANIAC

今回ナーフされた、ウォリコン歴代最強フィニッシャー。

オーディン最大の強みは構築のしやすさ。オーディンを一枚入れるだけで元来からウォリコンに必要な装甲カードが打点になるので、構築に無駄がありません。その上で、レイザーフェンのロックスターや、永遠の炎イグニスの疾風武器等と組み合わせれば簡単に30点以上のダメージを叩き出します。破壊力、スピード、安定性の三拍子そろった、まさにウォリコン理想のフィニッシャーといえるでしょう。一応挑発や凍結で防いだり、ドブネズミでぶっこぬいたりと対策も出来ますが、歴代フィニッシャーと比べれば些細な弱みです。ナーフもやむなし。

噂によるとナーフされた後も全然使えるそうですね、困ったものです。

 

深層採掘工ブラン+いろいろ(バッドランドの決斗)

破壊力  ☆☆☆☆☆

スピード ☆☆☆★★

安定性  ☆☆☆★★

オーディン亡き?後のウォリコンの未来を支えるフィニッシャー。

アスタラーで24点ダメージを毎ターンバラまいたり、ボカンボスで相手の手札、デッキ、盤面の三点責めを行ったり、大量の触手から日没の斉射を連打したりと、様々なフィニッシュ手段がありますが、悪いのはそいつらではなくブランの方です。雄たけびどもを悪魔に変える諸悪の根源。よく言えば全雄たけびカード希望の星。

こういった様々なカードとシナジーを発揮するタイプは新拡張ごとに悪さできることが増えていくので、そのうちナーフされそうではあります。

ブラン、いや、コントロールウォリアーの明日はどっちだ!?

レジェンド報告に価値はないのか

先日、「レジェンドランク到達の価値が失われた」という言説を見かけた。

 

いわく、現在のハースストーンスタンダードモードにおいてはbotが大量発生している、らしい。botは安価なデッキを使用し、かつ、自動化された動きしかできないのであまり強くはなく、botに大きく勝ち越すことは難しくない、らしい。そのため、以前と比べて簡単にレジェンドランクに到達できるため、レジェンドランク到達が強さの証明の価値を失った、らしい。

 

歯切れの悪い文章になってしまうのは、私自身はbotとの対戦経験がないからだ。

ハースストーンは内部レートでマッチングが調整されている。私も先月のレジェンド順位3000位台と自慢できるほどではない(自慢できるほどではない、って表現使って本当に自慢できないことあるんだ)が、botは当然勝率が低く内部レートが低くなるので、一定以上の内部レートがあるとbotとは当たらない仕様になっている。

 

ただ、botとの対戦経験はなくともbotが大量発生していることに疑いはない。

Twitterでは大量のbotの嘆き節をよく見るし、レジェンド人口の急激な増加もその証左だろう。アジア太平洋スタンダードレジェンド人数はシーズン122(2023/12)で85004人、ちなみに一年前のシーズン110(2022/12)は11005人であり、一年で八倍になっている。中国サーバー閉鎖の影響を考えても増え過ぎである。人間の仕業だけではない。

 


以上を鑑みた上で、「レジェンドランク到達の価値が失われた」と問われれば、私の答えは当然「イエス」だ。

botは人間よりも弱い。botが多いなら勝ち星を稼ぎやすい。この状況ではレジェンドランクの強さの証明という価値は、0になったとまでは言わなくとも、全く下がっていないと言い張るのも空虚に感じる。

 

ここまでが前置き。

ようやくタイトルの話を始めよう。

 

では、「レジェンドランク到達の価値が失われた」なら「レジェンド報告にも価値がなくなった」のだろうか。

この問いに、私は声を大にして「ノー」を叫ぼう。

 

そもそもなぜゲームについてSNSで語る必要があるのか。

多少の違いはあろうが、基本的に目指しているのは共感だろう。

大雑把に言ってしまえば、褒められたい。

 

現代社会でいい年した大人がほめてもらうのは少し難しい。

無条件でほめてもらえるのは幼児か神かぐらいで、私たちはどんなに努力しても幼児にも神にもなれない。仕事をしていてもなかなかほめられないのに、ましてゲームなんかしていてほめられるわけもない。日本チャンプになったからってモテモテになることもない。

 

それなら、せめて同好の士の間でぐらいほめられたっていいじゃないか、と思うのだ。

 

私がブログをしているのも要は褒められたいからである。せっかくならいっぱいいいねが欲しいし、引用RTしてほしいし、コメントしてほしい。

ちなみに残念ながら当ブログはほとんどコメントがない。最新のコメントは2022年1月5日ガフさんに書いていただいた、「ダークムーン・フェアへの招待状 全レジェンドカード事前評価」への「今更来たけど半分以上的外れで草 センスなさ過ぎ」である。補足すると「ダークムーン・フェアへの招待状」は2020年の拡張である。今更過ぎて草。

 

ほめてというにも何かしら理由がいるので、その理由として「レジェンドランク到達」という区切りはうってつけだ。

それに、レジェンドランクが「強さの証明」にならなかったとしても、「それなりにハースストーンを遊んでいる証明」になることは間違いない。そのことが、私は単純にうれしい。自分が好きなゲームを、他の人も遊んでくれているということが単純にうれしいのだ。

 

だから、私は見かけたレジェンド報告ツイートにはできるだけいいねを押そうと思う。

レジェンドランク到達が「強さの証明」足りえないならば、いいねがつくことでレジェンドランク到達の価値を少しでも高められればいいな、と願っている。

 

 

なにより、来週1/19(金)にはミニ拡張「深層究明ディープホルム」が発売される。

 

 

新カードを使ってのレジェンド報告は通常の10倍の価値をもつと一般的に言われている。

 

この機を逃す手はない。


新カードを使ってのみんなのレジェンド報告を楽しみに待ってるぜ!

 

それから、当ブログの最新コメントの更新もお待ちしています。

「バッドランドの決斗」環境 ナーガデーモンハンターデッキガイド

楽しすぎて二日でランク8000→100位まで上げてしまった。

せっかくなのでデッキガイドを書いてみます。

 

今回紹介するのは新拡張「バッドランドの決斗」で登場した新デッキ、ナーガデーモンハンター。新カード「瞑目の狙撃手」をエースとしたコンボアグロデッキ。ナーガ、呪文、ナーガ、呪文、ナーガ、呪文と繰り返すコンボで1ターンで30点以上のダメージすら平気で叩き出すトンデモカードです。

 

 

レジェンド一位報告も多数あり、今最も勢いのあるデッキタイプといっていいでしょう。ついでに、レジェンドカードが一枚も入ってない激安デッキでもあるので簡単に作れるのもいいところ。使っている感じ「瞑目の狙撃手」強すぎて将来のナーフは確実なので、遊ぶなら今!!

 

「バッドランドの決斗」環境 ナーガデーモンハンター

【サンプルリスト】

 

【デッキコード】

AAECAbn5AwKNpQXZ0AUOiLIEmLoE+b8EpeIEq+IExuIEve0ElaoF5OQF4fgFxfkFhY4GhpAGjZAGAAA=

 

【基本プレイ方針】

一目見てわかる通り、「獰猛なスリザースピア」「奇跡の薬売り」「本の虫」といった軽量ミニオンによるビートダウンをしながら、「グレイヴルーペ」「盲目の治安判事」で手札を補充し、隙を見て「瞑目の狙撃手」コンボを叩き込むことがこのデッキの基本プラン……

 

ではありません!!!

 

実際のところ、上記のゲーム展開になることはよくあります。しかし、それはあくまで第二プラン。本命の剣が用意できない場合の、護身用の脇差でしかありません。脇差もそこそこやりますが、それが真価ではありません。侮るなかれ。

 

このデッキが目指す最も強い動きである本命プランは

 

「瞑目の狙撃手」を出して、相手のターンでは除去されず生きたままターンが返ってきて、次のターンにコンボを回しバーストダメージを叩きこむ』

です。

 

例えば3ターン目に「狙撃手」を出して生きて4ターン目を迎えれば、コンボに使えるマナは4マナ。「狙撃手」を同一ターンに出しながらこれだけのマナを用意しようと思えば7ターン目になるわけです。

 

『7ターン目に勝つより4ターン目に勝つ方が強い』

 

簡単な話でしょう?

 

【基本マリガン】

常にキープ

「瞑目の狙撃手」

瞑目の狙撃手

キープできている場合、コンボ始動のための1コストナーガ(「獰猛なスリザースピア」「失敗作」)を1ターン目の展開用とは別に追加キープ

 

・1コストミニオン(少なくとも1枚)

優先順位

「奇跡の薬売り」「よろめくエサゾンビ」「周波数オシレーター「獰猛なスリザースピア」「失敗作」

コストナーガはコンボを回すときに価値が高いので、ナーガ以外で序盤展開ができるのが理想。

奇跡の薬売り

「薬売り」は断末魔で得られる「ヘビの油」「狙撃手」コンボを0コストで回す用、「カラカラのならず者」の起動用、「本の虫」「証拠隠滅」のデッキ戻し用、交換でパーツ探し用と大変便利なため、早めに出しておいてさっさと死んでおいてもらいたい。

 

「本の虫」

本の虫

デメリット持ちとはいえ常識破りのスーパースタッツ。そのデメリットも「グレイヴルーペ」「盲目の治安判事」によって相殺されるのであってないようなもの。現環境は2点、3点の除去が多く、体力4はかなり盤面に残りやすい。

こいつが生き残れば相手は除去がない、こいつに除去を使えば相手は除去が残ってないんじゃないか?、となるのでどっちに転んでも「狙撃手」着地前の安全確認に最適。

 

・(異端で使えるなら)「むら気な賢者」

むら気な賢者

コンボパーツを軽くできるとスーパー強い。

このデッキは0マナがかなり多いのでコスト軽減が0マナに吸われて無駄になってもそこまで気にしないように。そういうもんです。

 

 

基本的にキープしない

「グレイヴルーペ」「盲目の治安判事」

グレイヴルーペ

盲目の治安判事

 

最初に言った通りこれらでパーツを探すのはあくまでも第二プラン。「狙撃手」コンボを早期に決めてゲームに勝つならそれが手っ取り早いです。

ドロー手段が何もなければ早々に手札がスッカラカンになってしまいますが、「狙撃手」含めて6枚のドロー手段は4ターン目までに一枚ぐらい引けると見積もりたいところ。ドローをなにも引けないことを恐れてキープして、ドローを重ね引いて展開力やドローバリューを落とすほうがよくないと考えて私は基本的にはキープしません。

 

【対戦相手ごとのゲームプラン】

①シフメイジ 超有利

【追加キープ】

きれいに消費できる手札がそろっている場合に「グレイヴルーペ」or「盲目の治安判事」(有利なので少し弱めのキープでも事故らなければ勝てるため)

 

シフ

相手の盤面にミニオンを残さず「狙撃手」を置くのが一つ目のポイント。シフメイジの序盤は除去性能が低く、3ターン目に出した「狙撃手」を除去する方法がほぼない。「フレイム・ガイザー」「魔力の矢」の3発は非現実だし、盤面を残さなければ「残響リバーブだけでは除去に至らない。うっかり「本の虫」「フェルの炎もなんのその」で急襲をつけていると「リバーブで除去に使われるので少し注意。

「狙撃手」が序盤から使えないパターンても4、5ターン目の「被造物の秘蔵っ子」はせいぜい3点ダメージで、「本の虫」「盲目の治安判事」を除去するには少し足りないことが多い。できる限り体力4を維持したまま攻め続けよう。

 

パラディン 微有利「決斗!」「プリズムビーム」されたら負け、されなければ超有利

【追加キープ】

・1コストミニオンの複数キープ検討(2ターン目に1コス+ヒロパの動きも強い)

・「獰猛なスリザースピア」「失敗作」の優先順位上げ(体力3がパラディンには強い)

・「イリダン党の予習」キープ(「セキュリティ!!」がこのマッチでスーパー強い)

・後攻時、「フェルの炎もなんのその」キープ検討

 

「狙撃手」「決斗!」で返されると悲しいので、出すにしても2,3回は能力起動できるタイミングで出すのを目指そう。とはいえ展開次第では割り切って出すのも全然OK。持ってなければ勝ちはさすがにリターンが高すぎる。

「決斗!」「プリズムビーム」コンボを避けるには「本の虫」含むミニオン2体ほどで攻めなければならないが、それで「ブギーダウン」「ビュッフェ係のビッグガン」等の横展開に対処できなくなってしまうと意味がないので、無茶なケアはせず持たれたら負けと割り切ったほうが勝率は出る気がする。「プリズムビーム」ぐらいはケアしたいので、できるだけ体力4を維持することと、ミニオン数は3体ぐらいにしてしっかりマナは払ってもらおう。

 

③ドラゴンドルイド 五分

【追加キープ】

「瞑目の狙撃手」キープかつ序盤の展開札もある場合、「フェルの炎もなんのその」キープ

スパインテイル・ドレイク

「狙撃手」をきれいに叩き落とす「スパンテイル・ドレイク」の存在がいやらしい。とはいえ展開が遅いと「ドラゴン・ゴーレム」に蓋をされてしまうので、割り切って出すことも全然あり。「フェルの炎もなんのその」「狙撃手」の体力を6にしてドレイクの射程圏外にするのは非常に有効なため、積極的に狙いたい。

 

④ナーガデーモンハンターミラー 五分

【追加キープ】

特になし

瞑目の狙撃手

 

「狙撃手」を引けないほうの負け。

0コストの除去札が複数あるので、「狙撃手」を出して次のターンまで生き残っていることはほとんどない。そのため出すならそのターンで勝負を決定づけるほどコンボバリューを発揮したい。

しかし、序盤に盤面を取られてしまうと取り返すためには「狙撃手」コンボをスタートせざるを得なくなってしまい、そうなるとカウンター「狙撃手」コンボで負けてしまう。

というわけで、「狙撃手」コンボをしっかり準備するために、実は序盤の盤面がけっこう大事だったりします。

 

ちなみに一番強いのは「狙撃手」二枚引けるやつです。元も子もない。

 

⑤激怒ウォリアー 五分

【追加キープ】

特になし

満力の斧

 

ウォリの序盤の除去性能は弱いので「本の虫」「狙撃手」が生き残って打点を稼ぐのが勝ちパターン。ただいったん激怒ウォリ側が盤面を握ると「満力の斧」で延々強化されていくので、逆転は難しい。

いくらこっちが展開しても「炎の試練」一枚で返されてしまうので、それまでに勝負を決定づけるのを目指そう。

 

⑥疫病デスナイト 有利

【追加キープ】

特になし

沈没する船と共に

 

疫病デスナイトの除去は「沈没する船と共に」「自分で蒔いた種」と3点ダメージしかないので、盤面さえ抑えれば「狙撃手」が除去されない。3ターン目「狙撃手」でイージーウィンを狙う。

ただ、それができない場合はデッキを掘り進める分疫病をたくさん引くことになり少々厄介。「凍結の疫病」でコストが上がっているときでも「踊り食い」はなぜか0コストで使えるので豆知識として知っておこう。

HS歴代メカニズムを振り返る ツイスト記念新時代編 後半

前回の続きから

 

⑥烈戦のアルタラック

 

「ヒーローカード」 ゲンバク値5

 

 

 他のカードとは一線を画す人気のあるメカニズム。これからもマンネリにならない程度に定期的に登場するのは間違いない。

 「アルタラック」のヒーローカードの特徴として、今まで多かった無限リソース系のヒーローパワーがなくなった。以前から度々言及されてきた「カード生成効果を減らしていく」という方針が有言実行された形だ。お互い無限リソースの投げ合いになって泥仕合が続くのも、無限リソースのある側がコントロールデッキを蹂躙するのも辟易としていたので、この変更は歓迎したい。ブリザードの気遣いに感謝。

 ヒーローカードは、良くも悪くも環境を一変させるパワーカードである。その影響力を考慮して環境に居座る期間をできるだけ短くしようとしているのか、最近は年の最後の第三拡張に登場するようになっている。再び、ブリザードの気遣いに感謝。

 ちなみに、ヒーローカードの登場は大きく分類して今回で4回目。

0回目? ウォーロック専用(ロード・ジャラクサス) 

1回目 「凍てつく玉座の騎士団」 全クラスに追加

2回目 拡張で一枚ずつヒーローカード登場 シャーマン(ハガサ)、ウォリアー(ブーム)、ハンター(ズルジン)、メイジ(レノ) 

3回目 「激闘!ドラゴン大決戦」 シャーマン、ウォリアー、ローグ、プリースト、ウォーロック(ガラクロンド)

4回目 「烈戦のアルタラック」 全クラスに追加

 ジャラクサスは太古の存在なので例外として、シャーマンとウォリアーのみ、最大回数の4回ヒーローカードが登場していることに注目したい。この2クラスはデッキ構成によってヒーローパワーが腐りやすいので、それをヒーローカードで補おうとしてくれているのが分かる。またもや、ブリザードの気遣いに感謝。

 そもそもシャーマンのヒーローパワー変えたほうがいいんじゃないか?

このネタって全国で通じる?

 

「武勲」 ゲンバク値9

 

 武勲のダメなところはおおむね前回の逆上と同じ。

 ミニオン同士のトレードの駆け引きを前提としたメカニズムだが、除去が多い+コンボ環境だったことから満足に働く機会はなかった。逆上と違いミニオン以外にも搭載できる能力なので、武器や呪文の武勲はそこそこ活躍したものの、全13枚の武勲持ちミニオンの死屍累々ぶりは低評価を決定づけるのに十分すぎる。

 細かいダメージの調整ができるデーモンハンター、メイジ、ローグあたりはまだしも、他のクラスにはそもそも達成難易度が高すぎた。

 

⑦深淵に眠る海底都市

 

「超大型」 ゲンバク値3

 

 

 手放しでほめたい素晴らしいメカニズム。

 ミニオンのイラストを複数のカードで表現することで、巨大なミニオンの圧力が一目で伝わる視覚的な魅力。複数のカードが有機的に絡む独特な能力を表現できるゲームデザイン的な魅力。文句のつけようがない。

 バフ/ナーフを経て、超大型の全カードが活躍できたことも加点ポイント。

 ヒーローカードと同じように、特別感が大事なので頻出するわけにはいかないのが唯一の欠点。

 再登場に期待。

 

「海底探査」 ゲンバク値3

 カードゲームの魅力の一つに、「プレイヤーの意思決定によってゲーム展開が作られる」という部分がある。そのために選択肢が増えるドローは古今東西あらゆるカードゲームで重宝され、HSでは「発見」が大活躍した。しかし、ドローが多すぎるとコンボデッキが世界を蹂躙するし、「発見」は優秀なメカニズムだがさすがに増やしすぎて顰蹙を買いだした。

 その問題の答えとなるのが海底探査だ。プレイヤーに意思決定の機会を与えながら、「ドロー」「発見」の問題点を解消することに成功している。選ぶカードの種族、コストなどを参照することで、デッキ構築に指針を与えることもおもしろい。

 ただ、再登場に向けての懸念点が一つだけ。日本語訳時に本来なかった「海底」という単語を加えたことによって、「海底都市」だけで言えばいい味が出ているファインプレーなのだが、再登場時に違和感が出てしまう翻訳陣痛恨のミス。「腐敗の死霊術師」が海底探査というのはちょっと無理がある。

 

 

⑧ナスリア城殺人事件

 

「場所」 ゲンバク値2

 

 

 「アルタラック」の攻略目標シリーズ(「ワイルドポーの洞窟」「ダン・バルダーのトーチカ」等の3ターン継続する呪文)の転生した姿。

 攻略目標は3ターン連続で自動起動するため、ミニオン展開やドローは強力な一方、除去や他のカードとセットで使いたいコンボ向け能力は使いづらいうえ、対象を選べないのでデザインが非常に制限された。

 それと比べて場所は「任意のタイミングで起動できる」「対象を選べる」「耐久値の調整ができる」とデザインの幅が大きく広がった。毎ターンの連続起動ができないという制限も、強力になりすぎないちょうどいいものだった。

 

 

「吸魂」 ゲンバク値7

 

 ミニオンを並べることを前提としたメカニズムという点で「逆上」「武勲」と似た趣がある。前述の二つは基本的に相手のミニオンを条件としている点がだめだっだが、吸魂は自分がミニオンを出すだけでよい。この違いは大きい。

 単純にミニオンを並べているだけでは吸魂に困ることも少なくなく、一枚で複数展開できるカードを持っているかで使いやすさに大きな差が出る。その点がクラス格差へとつながってしまうのはケチの付け所か。「オニクシアの鱗」で簡単に「デナスリアス陛下」「貪食のデヴォーラー」の吸魂を稼げるのは少々理不尽に感じたものだ。

 

⑨リッチキングの凱旋

 

「死体」 ゲンバク値1

死体爆裂

 新クラス「デスナイト」のクラス特性として登場したメカニズム。

 まず、フレイバーとして単純にわかりやすいのがいい。死んだミニオンを利用して効果を得るというのは直観的にわかるし、クラスのイメージにもあっている。「霊視力」が手札の端から使ってなぜ二枚引けるかはイメージできないが、「死体爆裂」が死体を爆発させて死体の数だけダメージを与えるのはすぐに納得できる。

 プレイデザインにおいて、コストや能力だけでなく死体数でバランス調整ができるのも悪くない。

 

「マナ渇望」 ゲンバク値4

 マナ渇望コストまでマナを持っている場合にメリットがあるメカニズム。序盤は弱く、中盤以降に強くなる、ランク付き呪文と同じ方向性。環境で悪さをしない優等生なメカニズムである。マナ渇望を達成しているとカード枠が光るので、ランク付き呪文よりも見た目でわかりやすく、プレイ・アビリティはよし。

 死体と同様に、コストや能力だけでなくマナ渇望コストでバランス調整ができるのは悪くない。「アスタラー・ブラッドスォーン」と「フェル全開」はマナ渇望コストのナーフによってかなりマシになった。コストや効果の変更はカードパワーを極端に左右してしまうことが多く、こういう細かな調整ができることは大変好ましい。

 

⑩集え!レジェンド・フェス

 

「フィナーレ」 ゲンバク値6

 マナをぴったり使い切ることを強いられるほんの少しだけ不自由なシステム。不自由とはいってもコスト通りのタイミングで使う分には何の問題もないので「魔法活性」「変妖」の不自由さと比べると天と地の差がある。サポートカードが必要なわけでもない。

 「インフィニタイズザマキシチュード」のような発見効果にフィナーレがついているのはちょっと面白い。フィナーレで使うとマナが残っていないので、今発見したカードで現状を解決することができない。フィナーレの発見は将来必要と予想されるカードを予め発見しておく必要があり、適度なジレンマを与えてくれる。

 フィナーレ自体に大きなマイナスポイントはないが、使って特段面白いわけではないので評価自体は中程度。

 

「過回復」 ゲンバク値10

 コアセットに入っているのでしばらく登場が続くだろうが、メカニズムとしてはかなり弱い。「マルシェザールのインプ」「グルダンの手」がない頃の破棄ウォーロックや、初期の凍結シャーマンを彷彿とさせる。

 今までさんざん言ってきた通り、他のカードのサポートが必須なメカニズムは評価が落ちる。メカニズムカード、サポートカードともに、そろわずに手札で腐るリスクがあるからだ。サポートである回復能力はそれ単体で働かないことも大きなマイナス。逆上サポートの「ガーディアン改造屋」は逆上と合わせなくても強力だったからこそ採用できた。

 プリースト使いは、使われない過回復カードと使われない過回復サポートカードに貴重なクラスカード枠を奪われる未来に怯えるがいい。試しにウォーロックの歴代破棄カードを見てみれば、そこに積みあがるガラクタの山に言葉を失うだろう。破棄したいのは手札じゃなくてお前の存在だよ、と言いたくなるカードばかりだ。

 過回復が活躍するには「グルダンの手」「降雪の守護者」のような世界を塗り替えるレベルのパワーカードが必要となる。