これからのヨグ=サロン様の話をしよう

Hearthstoneについての自由帳

異端デーモンハンターデッキガイド 5/6改訂版

5/6改訂 赤字で追加

(1)前書き

みなさん、「集え!レジェンド・フェス」環境を楽しんでいますか?

 


ローテーション直後特有の、使えるカードががらりと変わった新鮮な環境を楽しんでますか?

 

周りを見渡すと新しいデッキがいっぱいでウキウキしますね!

 

40枚赤デスナイトに、テンポ青デスナイト、それから遺物デーモンハンターとピュアパラディン、ミラクルローグですか。

 

なるほど……なるほど……

 

 

新環境とは???

 

というわけで?今回は新デッキの「異端デーモンハンター」のデッキガイドです。

なお、内容は特に根拠のない独自感覚なので用法容量を守って正しくお使いください。

 

(2)デッキ紹介

C8763使用 レジェンド一位到達 異端デーモンハンター

beerbrick.com

 

ちなみに私がレジェンド94位に到達したときの個人成績。


序盤は、大量の軽い異端カードと、異端カードを使うとコストが下がる「剛腕の復讐者」によるテンポ。

中盤は、息切れを防ぐ、新カード「グレイブター」による大量ドロー。

いっぱい引いてすごい!

終盤には「レディ・サセーノ」+「荒くれファン」のOTKコンボ。

序盤、中盤、終盤、隙のない素晴らしい構築。

 

さらに、うっかり盤面にミニオンが残れば新レジェンド「ハルヴェリア・ダークレイヴン」がとんでもない打点を叩き出す。

盤面に急襲ミニオンが残っている場合「ハルヴェリア」で「サセーノ」の攻撃力を上げるコンボパターンもあるのは覚えておこう。

打点高すぎてすごい!

 

ドローが回らず手札が減ってきた場合は、異端カードを一枚は手札に残しておく。一枚あれば、「悲惨な追放者」をトップから引けば連鎖して複数ドローにつなげることができる。

異端カード全部軽くてすごい!

最近主流のデッキリスト

levik使用 異端デーモンハンター

 

ナーフされた「荒くれファン」を抜き、「ホークストライダー伯楽」を入れて盤面を強くした構築が最近は増えています。「伯楽」はコスト軽減効果の「獰猛なアウトサイダー」「むら気な賢者」「ステージ殺到」あたりと相性がいい。「ステージ殺到」で引いた「アウトサイダー」は温存しておき次の「伯楽」と合わせて使うのはよくある手なので、「ステージ殺到」で引いて異端だからといって「アウトサイダー」をすぐ投げないように注意、要検討。

 

(2)マリガン

・常にキープ

「獰猛なスリザースピア」、「イリダン党の予習」

 

・左端から異端で使えそうな場合キープ

「深紅の秘印の使い走り」、「獰猛なアウトサイダー」、「セキュリティ!!」、「むら気な賢者」

 

だいたいキープしていい

「グレイブター」、「忘れられし者フェレイン」

左端にあるならマリガンで返すが、右端にあり、序盤の動きがある程度あるならキープを検討する。「むら気な賢者」でコストを下げて3ターン目に使う動きはかなり強いので、「むら気な賢者」(or「イリダン党の予習」)で軽減できる目途があればキープする価値は少し上がる。

 

・「イリダン党の予習」は初手にキープするべきかどうか

イリダン党の予習

現在スタンダードカードプールには異端カードは7枚しかなく、かつ全て低コストなため、かなり高頻度で狙ったもの(外しても狙いに近いもの)を手に入れられる。

キープすると序盤の安定度は上がるが、他の異端カードのほうが初手に引きたい、中盤に発見で場面に必要なものを選びたい、終盤まで残れば「サセーノ」コンボの打点になる、という理由で私はだいたいマリガンで返している。ただし、「予習」が左端にあり、異端のための確実な枠開けとして使えるならキープする。

 

初手に必ずキープ

序盤の安定度上がるのが大事に決まってんだろ!!!

初手の異端はできるだけ2ターン目に使いたい。パワーカードの「セキュリティ!!」、序盤にコスト軽減がはまればテンポに大きく貢献する「むら気な賢者」を狙うことが多い。

 

小ネタとして、「予習」はコスト軽減効果によって発見してもコスト損しないように設計されているが、「魔眼光」だけ例外。「魔眼光」は異端ならコスト軽減が効かず常に1コストなので、予習の軽減効果を無駄遣いしてしまう。

「予習」(「魔眼光」発見)→左側の異端カードプレイ→右端の「魔眼光」と使えばコスト軽減効果を無駄なく使うことができる。

 

 

 

(3)対戦相手ごとのプラン

①対赤デスナイト 五分

・常にキープ

グレイブター、ステージ殺到

シャウトするバンシー

せっかく展開したのに「血の沸騰」「死体爆裂」で5ターン目には除去されてしまうので困っている?

いいえ、それは困っていません。それらを使われたならナイスプレイングです。落ち込む必要はありません。5ターン目の除去はガッツポーズしてください。

異端デモハンが最も恐れるのは「シャウトするバンシー」を余裕をもって盤面に置かれることです。

異端デモハンは体力6を除去する手段が相当限られるので、バンシーの処理に相当苦労します。

「相手に除去を強制させる展開を続けて、バンシーを盤面に置く暇を与えない」ことが対赤デスナイト戦のポイントです。

 

基本ゲームプランは以下の通り。

1~3ターン目 ミニオン展開やドロー、異端を使い「復讐者」を軽くする

4ターン目 「グレイブター」装備

5ターン目 全除去を使われるターン。「血の沸騰」対策に体力5の「復讐者」を盤面に置いておく。「死体爆裂」なら死体を消費し「吸血鬼の血」を防ぐのでそれも良し。グレイブターのために異端カード使用。

6ターン目 異端カードを連打しグレイブターによる大量ドロー(5枚以上は引きたい)+展開

7ターン目 「魂の盗み魔」が使えない最後のミニオン展開チャンス。「ハルヴェリア」を打点に使いやすいターンでもある。「パッチウァーク」を置く隙を与えない。

8ターン目 「サセーノ」「荒くれファン」OTKで勝ち!!

 

一番のポイントはグレイブターを装備したターンに振らないこと(装備した時に振るなら次のターンは振らない)。OTKのために大量ドローをしたいので、急いで使わずにしっかり断末魔を貯めたい。武器の打点は、「バンシー」「アルカナイト・リッパーのトークン」「ノーム喰らい」の生命奪取持ちミニオンを一発で倒す貴重な打点となる。

 

 

多分一番需要あるのが対赤デスナイトだと思うのでここだけ頑張りました。

 

「荒くれファン」のバーストが出せなくなったのはマイナスだが「伯楽」で盤面は強くなった。「吸血鬼の血」が発見されなくなったことはプラスなのでトータルで相性はそこまで変わっていない。毎ターンそこそこの展開を続けると赤デスナイト側は除去が噛み合わなくなりがちなので、常にプレッシャーをかけ続けたい。

「ドブネズミ」を雑に投げられがちなマッチなので、「伯楽」がうっかり飛び出て圧勝するパターンも生まれた。

 

②対青デスナイト 有利 微不利

フロストワームの憤怒

急襲ミニオンの差で盤面処理はこちらが有利なため、盤面で押し負けることはあまりない。負けパターンは「マイト・オブ・メネシル」「フロストワームの憤怒」の連打で盤面を無視したダメージで押し切られること。こちらは盤面を止められても「サセーノ」で勝つためにドローを進める必要がある。

5ターン目までの「復讐者」連打はテンポでゲームを決めうるが、6ターン以降になると出してもどうせ凍結されるので、フロストワームの除去のために手札に温存するのも手。

青デスナイトに回復や挑発など身を守る手段は入っていないが、デスナイトは発見で何でも持ってこれるクラス。「ネルビアンの大臣」産のカードが残っているならあらゆる可能性に気を付けたい。

「音響エンジニア・ポジック」を出されると急襲で盤面を取り返すことが極めて難しくなる。できれば序盤から横展開をして「ハルヴェリア」をちらつかせて相手にトレードを強要し、有利なライフレースを仕掛けたい。「伯楽」で盤面を強化してもどうせ凍結で止められてしまうので、このマッチでは「荒くれファン」コンボができなくなったのはマイナス。

 

③対異端デーモンハンター(ミラーマッチ) 五分

・追加キープ

(序盤の動きがある場合)「ホークストライダー伯楽」

セキュリティ!!

中盤以降に盤面を握ったほうが「ハルヴェリア」のバーストダメージを叩き込んで試合を決めることが多かった。「サセーノ」を小型ミニオンの除去に使う、「荒くれファン」+急襲で「剛腕の復讐者」を除去することも考慮に入れて、盤面が有利なまま相手にターンを返さないようにしよう。

お互い全体ダメージカードはないので「セキュリティ!!」の横展開を返すためには「セキュリティ!!」しかない。ドローを他で補えるなら「イリダン党の予習」で積極的に狙いたい。

盤面の取り合いになるのでミラーマッチの「伯楽」は最強カード。中途半端な展開は急襲の殴り合いで決め手にならないので、コスト軽減を活かして「伯楽」から強力な盤面を作りたい。

また3ターン目(やコインから2ターン目)の空の盤面に「伯楽」が着地すれば相手は返すのは非常に困難。生き残ればそのままゲームを決定づけるパワーがあるので、序盤の盤面をとれる算段があれば「伯楽」をキープ。

 

④対遺物デーモンハンター 五分

・常にキープ

グレイブター、ステージ殺到

「火葬のオーラ」が抜けてきたため、序盤の展開力で押し切る方がいい。

フェル全開

序盤の展開力はこちらに分があるが、小型ミニオンの展開は「火葬のオーラ」「フェル全開」で対処されてしまう。フェル全開のマナ渇望が発動しない6ターンまでに除去を強要するような展開をして、大量回復を防ぎたい。

とはいえ、大量回復をされたとしても「グレイブター」の大量ドローができていれば「サセーノ」コンボで勝つことができる。ドロー力はこちらが上なので、対赤デスナイトと同じように相手に除去を強制させながら、コンボパーツをそろえることを目指していく。

 

結局遺物デモハン側が「遺物庫」「次元の遺物」をきれいに引けるかどうかなところはある。

 

 

⑤対トニードルイド 有利

・キープしない

グレイブター

・追加キープ

(序盤の動きが十分ある場合)ハルヴェリア・ダークレイヴン、ステージ殺到

ゾク・フォッグスナウト

全体除去が環境から消えたドルイドは異端デモハンにとってカモ。小型ミニオンの大量展開から「ハルヴェリア」につなげるのが基本的な勝ちパターン。リーサルダメージまで足りなくても「ハルヴェリア」でミニオンの攻撃力を上げておくことで「密集猛襲モッシャー」をケアすることができる。

ドルイド側に全体除去がないので、体力の低いミニオンを並べる裏目が存在しない。このマッチに限って、相手のミニオンをトレードするときは小型ミニオンを複数当てるより有利トレードをするのが原則となる。ただし盤面をミニオンで埋めてしまうと「ハルヴェリア」を出せずにリーサルを出せないことがあるのでそこだけ注意。

 


このマッチは「サセーノ」コンボをそろえるためにドローを進めるより、序盤からの展開を優先したい。「荒くれファン」や「サセーノ」はテンポで使っても序盤から攻めたてるべし。

 

 

⑥対ピュアパラディン 圧倒的有利

・キープしない

グレイブター

ゲロッパ

ヒーローパワーと11急襲ミニオンによって「聖なる盾」を苦にしない上、パラディンには急襲ミニオンがいないので盤面の取り合いに負ける理由がない。「グレイブター」を使わずとも「悲惨な追放者」が一度盤面に生き残るだけで、一生除去されずにマウントを取り続けられる。

「ヒカリエイ」「剛腕の復讐者」はともにナーフされた身だが、「復讐者」は使っていてナーフされた感覚がないほどすぐに軽くなる。一方で、パラディンにとっては痛いナーフとなってしまった。

 

⑦ミラクルローグ 有利 微不利

罪石の墓地

 

正直気づいたら勝ってることが多くてプランも何もない。

 

「ナイフの雨」があるもののローグの全体除去はその二枚だけ。横展開に強いとは言えない。

「ポスト乗り乗りダンサー」がいないので罪責の墓地トークンはそこまで大きくなりにくく、急襲ミニオンでトレードできることが多い。

ローグの主なドロー源は「ポーションベルト」による不確定最大4枚ドローだが、こちらは「グレイブター」で7枚ぐらいドローができてリソース量で勝てる。

防御手段がないので武器で顔殴ってれば勝手に勝てる。

 

等の展開で勝てたので、おそらく有利。知らんけど。

 

ランクが上がるとうまいミラクルにボコられるようになった。

 

⑧対トーテムシャーマン 謎

彫刻刀

自分でトーテムシャーマンを使ったときはパワー0のトーテムを吸収で無限に除去され一瞬で殺された。

相手がトーテムシャーマンを使ったときは「彫刻刀」がミニオン処理しながらトーテム並べて圧殺された。

「彫刻刀」が強いことだけは分かった。

たぶん誰でも知ってる。

 

⑨対スペルデーモンハンター 不利

6ターン目には「シルバームーンの秘術師」「フェル全開」で大回復されてしまうので、5ターン目までに強い盤面を作ってマナ渇望しない「フェル全開」を打たせるのが理想。が、スペルデーモンハンターの急襲トークンが強く、そんな展開は難しいので不利マッチ。

6ターン目以降にまだ「秘術師」が使われていないならミニオン展開は避けて、武器でダメージを稼ぐのが理想。が、そんな展開は難しいのでフェル全開がないことにかけて展開するしか勝ち目が見えず、案の定「フェル全開」されるので不利マッチ。

勝ちプランはあるが、それを達成するための条件が厳しすぎる。

 

⑩アンデッドプリースト 有利

・常にキープ

獰猛なアウトサイダー

邪教幹部バサレフ

盤面を取る力に圧倒的な差があるので有利。序盤に攻められても中盤に盤面を取り返すことは容易だろう。

負け筋その1は取り返した盤面を「密言:不死」で返されて再展開の前に削られること。

負け筋その2は盤面を処理できるからと言って処理しすぎて「邪教幹部バサレフ」にヴァリューを出されるところ。特に蘇りミニオンを復活後も含めて倒すべきかどうかを検討しよう。ライフレースで勝てるなら相手に処理を押し付けたい。

【初心者向け】クエストスペルデーモンハンターデッキガイド

(1)前書き

世はまさにローグ全盛期。

 

序盤から終盤まで隙のない動きを一貫する泥棒ローグに、弱体化を乗り越え復活したミラクルローグ。二つのローグデッキがラダー環境に跳梁跋扈。我が世の春を謳歌しています。

 

そんなローグに正義の鉄槌を下すべく開発されたのが「クエストスペルデーモンハンター」です。

巷で、「プレイングが分からない」という話をよく聞くので初心者向けのガイドを書いてみました。デッキガイド書くなんて何年ぶりだ……いや、初めてかもしれん。

私は正月休みの間にこのデッキ一本でレジェンドまで行きました。勝率56%なので特別上手くも下手でもない中堅レベルでしょう。

やりこんでる方は記事の修正点を教えていただけれると幸いです。

 

ちなみにリストはBeerBrickで紹介されていたgloryさんのリストを使いました。

beerbrick.com

 


ローグ、青デスナイトを狩りつくした図。


(2)基本ゲームプラン

マストキープ:「敏速の秘印」、基本的に「霊視力」(後手の右端に「霊視力」があり、その左二枚をマリガンで返すようなら「霊視力」も返す)

キープしてもいい?:「混沌一閃」「嘲笑の紋章」

 

ゲームプランは大きく4つに分けられます。

 

①「レディ・サセーノ」+「鬼軍曹」プラン

https://d15f34w2p8l1cc.cloudfront.net/hearthstone/40c3013c454da7a10a78ed00525b1af58c5b4d8bfeff42fe88ed5cf07dae8873.png

鬼軍曹

エストによってコストが下がった呪文を連打し、「鬼軍曹」で強化した「サセーノ」が殴り倒すプラン。このコンボを防ぐためには相手は盤面にミニオンを並べるしかないのだが……

 

②「罪人の烙印」+「フェルドライ戦団」プラン

罪人の烙印

フェルドライ戦団

体力4以上に「罪人の烙印」をつけることでお手軽12点ダメージコンボ。「罪人の烙印」が二枚あればお手軽20点。

「サセーノ」コンボをケアして盤面にミニオンを並べた相手に突き刺さる大ダメージ。この両面待ちができるのがこのデッキの強み。

 

③特にコンボなく顔殴ってるだけで勝っちゃうプラン

ふざけてるのかと思いきや、打点を全部顔に入れれば、コンボなしでも6ターン前後に相手のライフを0にできるポテンシャルを持っている。特にノーガードの殴り合いになるミラーマッチではよくよく打点を計算しよう。

 

④ ①~③の複合プラン

だいたいこれ。

「サセーノ」で15点ぐらい出した後、残りは「烙印」で出す。相手のミニオンが並ぶ前に「フェル連射」などで10点ぐらいだした後、20点を「烙印」で出す等々。

完璧にコンボをそろえるのは難しいので、複合プランでライフを0にすればいいと考えればプレイはぐっと楽になるはず。

 

 

この4パターンで、5~7ターン目に相手のライフを0にすることを目指します。

 

ゲームプランが5~7ターンということで勘のいい方は気づいたかもしれませんが、このデッキはクエスト報酬の「デーモンスレイヤーカートラス」は95%出しません。それどころか一段階目も達成しないまま勝つことだってありました。今までのクエストデッキは、クエスト達成を目指すことが基本のゲームプランでしたが、その点で、このデッキは過去のクエストデッキとは大きく異なります。

エスト進行より、いかにして相手のライフを削りきるかを念頭に動きましょう。

エスト進行なんて、うっかり「ニード・フォー・グリード」をトップから引けばいつでもできます。

 

 

一応、「カートラス」を出した場合はデッキのほとんどが0コストになるので、「サセーノ」コンボの爆発力は上がります。対ドルイドやウォリアーなどで大ダメージが必要なら、クエスト達成を狙うことも選択肢の一つとしてはありそうです。

ちなみに私の72戦のなかで「カートラス」が手札に加わったのは1回(三段階目を達成した場合はもっとありますが、手札の邪魔になるので、手札10枚にして「カートラス」が手札に入らないように調整しました)、場に出したのは0回でした。

参考までに。

 

(3)対戦相手ごとのゲームプラン

全マッチ5ターン目ぐらいに①プランを決めれば勝ち!

そんなラッキーはめったにないので、それ以外のパターンで書きます。

 

①対泥棒ローグ 有利

序盤から終盤まで一貫してミニオン展開をしてくるため「魂の狂宴」「罪人の烙印」がいつでも使える戦いやすいマッチ。ゲームが進むにつれ「隠し禁制品」による盤面展開が簡単になるので、「サセーノ」コンボが決まりづらくなる。動けるならコンボパーツが不十分でもさっさと「サセーノ」を打点に変えてもいい。

相手のダメージクロックが遅く、「シルバームーンの秘術師」+「フェル全開」の回復でもかなり耐えることができるので、積極的に相手の顔面を削っていこう。

 

②対ミラクルローグ 有利

相手が4、5ターン目に大きく動いて、そこから2ターンかけて殴りきるのを基本プランと考えると、少しだけこちらの方が勝利ターンが早い。暇があれば相手の展開前に「フェル連射」を使うなど序盤からダメージを稼ぎつつ、ミラクル展開を「烙印」のエサにして相手より1ターン早く勝利したい。

「罪責の墓地」を2枚引かれて、ミラクル展開後1ターンで殴りきられてしまうのが負けパターン。どうしようもないのでその時は拍手で応えよう。

 

③対青デスナイト 有利

「混沌一閃」、「嘲笑の紋章」キープ。

序盤にミニオンで殴って、終盤ミニオン展開をせずに回復を防ぐのが青デスナイトの勝ちパターンなので、序盤のミニオンは丁寧に除去しよう。そうすれば終盤までミニオン展開してくれるので、「シルバームーンの秘術師」+「フェル全開」でおいしく回復のエサにできる。ライフ差を逆転するにはさらなるミニオン展開が必要で、お次は「烙印」のエサにできる。

中盤から毎ターン顔を凍結されるので、「混沌一閃」「憤怒」は暇なときに打点に変えておいたほうがいい。

 

④対クエストスペルデーモンハンター 五分

「嘲笑の紋章」キープ

6ターン目には必ず決着がつく居合マッチ。5ターン目までの殴り合いでお互いライフが20以下になり、先に「サセーノ」コンボがそろった方の勝ち。「鬼軍曹」までなくても十分なことも多いので、計算はしっかり。「喰われた魂」から持ってくるのは100%「サセーノ」になるので1マナ「喰われた魂」はさっさと「サセーノ」に変換しておこう。

「フェルドライ戦団」を使ってしまうと相手の「フェルドライ戦団」+「魂の狂宴」でエサにされてしまうので、基本的に打ってはいけない。自分が次ターンに勝てる状況のみ、トークンを並べておくことで相手が「フェル全開」を引けていないなら対「サセーノ」の肉壁になってくれるという使い道が一応あるにはある。

 

⑤対ショックスピッターハンター 五分

「嘲笑の紋章」キープ

序盤のミニオンに打点を稼がれるのが負けパターン。「フェル連射」「フェル全開」を序盤の除去に使ってもダメージを抑えたい。

「獣の追跡者タヴィッシュ」の「凍結の罠・改」によって「サセーノ」コンボを防がれるので、余裕があるなら「フェルドライ戦団」のトークンを予め場に残しておくことで秘策をケアすることができる。

 

⑥対ランプドルイド 不利

相手が序盤から「野生の心のガフ」になれていない場合、展開がおろそかになる一瞬がどこかにでてくることが多い。その瞬間に「サセーノ」コンボを叩き込みたい。

動画で「デーモンスレイヤーカートラス」を出すことで「サセーノ」の打点を底上げして勝っていた試合を見つけたので、このマッチならワンチャンクエスト達成を狙う価値がありそう。

 

⑦対コントロールウォリアー 不利

このデッキのダメージ範囲は60点前後なのでミニオンを並べず装甲をためられるとかなりしんどい。勝てるきせーへん。

「デーモンスレイヤーカートラス」を早期着地させれば可能性はあるのだろうか?

新と不浄! 血ょっ凍、気になるルーンの話

「ハースストーン」の最新拡張版「リッチキングの凱旋」を発表!

 

12月7日発売、ハースストーン新拡張「リッチチングの凱旋」!!

 

目玉は何といっても、「デーモンハンター」から三年ぶりに追加される新クラス「デスナイト」でしょう。

高ポテンシャルなアンデッドミニオン、死体を利用した独自システム、そして何より斬新なのは、デッキ構築に縛りを作る「ルーン」システムです。

 

 

 

 

デッキを構築する際に凍気不浄の三種のルーンを三個組み合わせ(凍気不浄不浄不浄など)、その組み合わせによってデッキに採用できるカードが制限されるというシステムです。

 

例 凍気の場合

採用可

 

採用不可

 

今回の記事は、このルーンシステムについてのお話ですな。意図と影響について、勝手ながら邪推させていただきます。

 

(1)縛りから生まれる創造性

 デッキ構築が制限されるというとプレイヤーに不自由を強いる、創造性を奪うシステムと思われるかもしれません。しかし、実際はその逆です。制限があるからこそ、プレイヤーはデッキ構築の段階からカードのルーン数を見比べ、どの組み合わせにするか頭を悩ませることになります。

 まさに、これこそが創造性です。

 

 

 不自由は創造性を刺激します。

 全国のお母さま方が「晩御飯何食べたい?」と聞くのと同じです。何でも作っていいという無限の選択肢からの創造は思いのほか難しいものです。「ハンバーグ食べたい!」なんて言ってもらえれば、ハンバーグを中心に、食べ合わせや栄養のバランスを考えて他のメニューが決まっていきます。「何でもいいよ」なんて返事をしている場合ではありません。前に進むためには、行き先を示すコンパスが必要なのです。

 メインディッシュはお決まりですか?

 

(2)縛りがあるからこそのカードパワー

 デスナイトのクラスカード(特にルーン持ちカード)を一枚ずつ見てみると、すべからく基本的なカードパワーが高いことに気が付きます。ブリザードついに気が狂ったか、デーモンハンターの爆速ナーフの再来か、とそういうわけではありません。

 

 

 ルーンによってデッキ構築が縛られることは、明確なデメリットです。「吸血鬼の血」を採用すれば、デッキのルーンが自動的にとなってしまいます。そうなれば、凍気不浄のカードを採用することができません。

 デスナイトはルーンによって得意不得意がかなりはっきりしています。

 

 血は除去と回復。

 凍気はダメージとドロー。

 不浄は展開力と死体補充。

 

 つまり、コントロールデッキにとってかなり魅力的な「吸血鬼の血」を採用すれば、ドローや死体補充に不自由することになるでしょう。「吸血鬼の血」は一見してとても強力なカードですが、こうしたデメリットを背負っているからこそ許されたカードパワーになっています。

 逆に言えば、ルーン持ちカードはデッキ構築制限というデメリットを抱えても許されるほどの、魅力的なカードパワーを持っていることが多いです。

 

(3)縛られない「発見」

 先ほど、ルーン持ちカードはデッキ構築制限のデメリットを抱えることでカードパワーが許させるという話をしましたが、世界の理には抜け道がつきものです。デスナイトのルーンシステムにも一つの抜け道が存在します。

 

 

 発見に代表されるカード生成効果はルーンの縛りを受けません。

 たとえ不浄不浄不浄でデッキを構築していたとしても、発見からであれば凍気のカードを使うことが可能です。先述したようにルーン持ちカードはカードパワーが高いことに加え、デッキに入れることができない、足りない要素を補充することが可能となります。そのため、デスナイトは発見カードの価値が非常に高いです。

 大量のカード生成効果を採用することで、色とりどりのパワーカードを連打するデスナイトデッキも出てくるんじゃないかと予想しています。

 

(3)決定力のあるシナジー不足

 実は、デッキ構築と引き換えのカードパワーというのはハースストーンでありふれているものです。

 例えば、呪いインプウォーロックで考えてみましょう。インプシナジー、呪いシナジーを使うためにはその関連カードを大量に採用する必要があります。これも広義の縛りといえるのではないでしょうか。

 

シラケスの狂信者

 

 このようなデッキに一貫性を持たせるための縛りが、デスナイトの場合はルーンシステムによって強制的に作られています。

 これは新クラスの登場としてはとても優れているように見えます。他のクラスのように合計6拡張分のシナジー要素をいきなり見せつけられては、デスナイトのクラス特性が見えづらくなってしまいます。「雄たけび」「マーロック」「凍結」「呪文ダメージ」「オーバーロード」なんていわれると、何をしたいクラスなのかわからなくなってしまいますよね。デスナイトは「死体」という緩いシナジーを全ルーンで共有しながら、ルーンシステムというデメリットと引き換えにカードパワーを手に入れています。

 デスナイトは緩い「死体」シナジーしか持っていないため、ゲームを決めるほどの一貫した強烈なシナジーは持っていません。ウォーロックの「呪い」、メイジの「ヒーローパワー」、ローグの「泥棒」、デーモンハンターの「遺物」などのように、単純にそれだけで勝てるような決定力は持ち合わせていないのです。

 カードパワー自体は強力なものがそろっているデスナイト。そのカードパワーの暴力で、他クラスの強烈なシナジーを跳ね返せるかに注目してみましょう。

 

 

〈総括〉

 デッキ構築に縛りを設けるというシステムは、ハースストーンでは今まで何度も試みられてきました。

 ハイランダーはデッキ全体の一貫性を持たせづらいという欠点がありました。

 奇数偶数はヒーローパワーによるヒーロー格差と、単調なゲーム展開という欠点がありました。

 レナサルは・・・ちょっと話が変わってくるので勘弁してください。

 

 

 不自由は創造性を刺激します。

 ルーンシステムでデッキを組むのは、考えただけでワクワクします。

 この胸の高鳴りだけでも、ルーンシステムは成功しているといって過言ではないでしょう。

 

 

 さあ、

 

 蹄の音が聞こえるか?

 

 やつはもうすぐそこまで来ているぞ。

 

 新クラス、デスナイトの活躍を祝して、今日はインド料理店で鶏肉でも食べに行きましょうか。

 

 「タンドリーチキンぐださい!!」

 

 ってね。

 

 

 え、寒い?

 

 ああ、リッチキングが近づいてきたせいですね。

 僕のせいじゃないですよ。

METAGAME BREAKDOWN《 マスターズツアー:虐典裁判 》 

10月7日(金)16:00~、「マスターズツアー:虐典裁判」が始まります。

「マスターズツアー:虐典裁判」で法廷バトルが始まるぞ!

 

ミニセット「虐典裁判」リリース後の初めてのマスターズツアーです。

みなさん、「虐典裁判」は遊びつくしましたか?

十分遊びつくした方も、忙しくてあまり遊べていない方もいるでしょう。

今回は、本戦に備えて、現在のハースストーンスタンダード環境を予習しておきたい方のために、全十クラスのメタゲーム上のデッキと立ち位置を簡単にご紹介します。

 

これを読めば、観戦が十倍楽しめること間違いなし!?

 

 

 現環境を牽引するtire1デッキであり、マスターズツアーでも使用率No1だと予想されるのは40枚獣ハンターです。

 40枚獣ハンターの魅力はなんといっても不利マッチの少なさ。唯一の例外を除き、ほとんどのデッキ相手に五分~微有利の非常に優秀なマッチアップ相性を持っており、その性質は、様々なデッキと戦うことが予想されるマスターズツアーに最適なデッキといっても過言ではありません。

 序盤から終盤まで盤面制圧能力の高い優秀なミニオンを展開し続け、アグロだろうがコントロールだろうが相手を圧殺します。獣ミニオンを高コストに限定することで、「ペット収集家」「銛打ち銃」を最大限に活用した、骨太な王道ミッドレンジデッキです。

銛撃ち銃

 

 最近のリストの特徴としては、「輸入タランチュラ」の採用が増えてきました。獣ハンターの最大の欠点は大型ミニオンを除去できないことです。そのために、前述した「唯一の例外」であるミラクルプリーストに大きな不利がついています。その欠点を、「輸入タランチュラ」の「猛毒」によって補おうとするわけです。新カード「被告側弁護人ナサノス」との相性の良さも光っています。

 ハンターがマスターズツアー:虐典裁判の主役になるのは、まず間違いないでしょう。

 

輸入タランチュラ

被告側弁護士ナサノス

 

【サンプルデッキ 40枚獣ハンター】

 

 ミニセット「虐典裁判」の最大の恩恵を得たのはパラディンです。

 ゲームを決めるフィニッシャー不足に悩んでいたところに、目玉レジェンドの「獄吏王」、さらには「獄吏王」を安定して引くための「裁判所命令」が追加され、「獄吏王パラディン」 が誕生しました。

 

獄吏王

 

 「獄吏王パラディン」自体は環境初期に開発されたものの、デッキパワーが足りずすぐ使われなくなりました。しかし、ひそかにmyao氏によって改良型が開発され、ラダーで勝利を積み重ねている姿が目撃されています。

 

【サンプルデッキ myao式獄吏王パラディン

 

 このリストの画期的なところは「デナスリアス陛下」の採用で、十分な吸魂ができなかったとしても、破壊不能な10/10生命奪取ミニオンとしてライフレースを破壊します。「ライトフォージのキャリエル」のダメージ半減能力も含めて考えれば、毎ターン20点回復です。そら勝ちます。無茶苦茶です。

 「イルギノス暴れん坊デモハン」「コントロールピンメイジ」などを切り開いた稀代のデッキビルダーmyao氏のパラディンの活躍が見れるのか、注目です。


 パラディンに次いで、ミニセットで強化されたのはアグロデーモンハンターです。

 「盲目の治安判事」という4/5/4で標準スタッツを持ちながら最大5枚ドローという化け物カードが追加され、「本の虫」などの手札を減らすカードをより効率的に使えるようになりました。

 

 

【サンプルデッキ アグロデーモンハンター】

 

 また、遺物フェルデーモンハンターも有力な選択肢となっています。新カードの「検事メルトラニクス」は相手の行動を大きく制限する強力な能力で、「次元の遺物」のコスト軽減能力を活かしたスイングターンに合わせて相手を対処不能にし、一気にゲームを決めることが可能になりました。

 

検事メルトラニクス

 

【サンプルデッキ 遺物フェルデーモンハンター】

 

 デーモンハンター両デッキの欠点は、一部のシナジーカードにデッキパワーを大きく依存しているため、デッキを30枚にする必要があるところです。たった30点のライフでは、獣ハンターにあっという間に圧殺されてしまいます。とはいえ、30枚ならではのドローがうまくかみ合いまくる「ブン回り」が起こりやすいのはメリットといえるでしょう。


 最有力は呪いインプウォーロック。ミニセットによる変化なしデッキその1。

 序盤はインプシナジーを活かした小型ミニオンによるビートダウン、「悪徳の図書室」によるミニオンの大型化、中盤以降は「呪い」による継続ダメージ、と簡単に対処できない多角的な攻め方ができるのがこのデッキの魅力です。

 

悪徳の図書室

 

 メタゲームの立ち位置で言えば、絶望的な相性だったエドウィンローグが数を減らしたことが追い風です。代わりに増えた獣ハンターも苦手な相手ではあるのですが、エドウィンローグに比べれば全然ましです。

 「呪い」による継続ダメージはかなり大きく、ミニオンで全く攻められなくても、「呪い」だけで相手を削りきることすら可能です。特に「骸骨メイジ」や「クエストプリースト」などの展開力が劣るデッキは、反撃の機会が整う前に全身呪い切られてしまいがちです。

 コントロール殺し、その役割がウォーロックには期待されています。

 

【サンプルデッキ 呪いインプウォーロック


 「クエストプリースト」や「ナーガプリースト」も候補には上がっていますが、ここでは今一番メタゲームに絡んでいる「ミラクルプリースト」を紹介します。変化なしデッキその2。

 

【サンプルデッキ ミラクルプリースト】

 5,6ターン目前後に突然体力20を越える超巨大ミニオンを並べるコンボデッキ。

 もともとは挑発の突破手段を持たないエドウィンローグを殺すために開発されたデッキでした。エドウィンローグは数を減らしましたが、獣ハンターにも大型挑発が非常に有効なことから、このデッキの存在感は日ごとに増しています。他にもデーモンハンターや呪いインプウォーロックなど、大型挑発を突破できないデッキは環境に複数存在しており、非常に有利なマッチアップをいくつももっていることがミラクルプリーストの強みです。

 

超越者の恩寵

 

 しかし、このデッキはその強みと引き換えに、致命的な弱点カード一枚で崩壊する脆さも持っています。「集団動物変身」「始原の波」「平等」「輸入タランチュラ(急襲付与も必要)」etc。得意なデッキにとことん強く、苦手なデッキにはとことん弱い、そんな極端な相性関係が、ミラクルプリーストの特徴です。つまり、メタゲーム次第で最強デッキにも、最弱デッキにもなりえます。

 果たして、ミラクルプリーストはこの混沌としたメタの海を泳ぎ切ることができるのでしょうか?


 最有力は40枚骸骨メイジ。変化なしデッキその3。

 ミニセット前のバランス調整で「夜陰の内殿」「魔導士ドーングラスプ」のナーフを食らい、デッキパワーを大きく落とした骸骨メイジですが、実は最近ではメタゲーム上の立ち位置がよくなっています。

 理由はなんといっても、最強デッキである獣ハンターに有利が取れること。

 獣ハンターはハンターとしては珍しく直接ダメージがなく、盤面のミニオンで戦うデッキなので、メイジの「凍結」カードが極めて有効です。「凍結」や「固いアリバイ」で時間を稼ぎながら、「モードレッシュファイヤー・アイ」や「大魔術師のルーン」で盤面をひっくり返すという勝ちパターンを持っています。

 

ブリザード

 

 獣ハンターが使用率No1が予想されるということは、そこに対抗できる骸骨メイジも当然その数は少なくないはずです。下のリストには入っていませんが、「集団動物変身」を採用することでミラクルプリーストを殺す役割を持てることも、メイジを使う理由の一つになります。

 

【サンプルデッキ 40枚骸骨メイジ】


 最有力は40枚雄たけびシャーマン。変化なしデッキその4、ではありません、「被告人シルヴァナス」が入っていました。セーフ。

 シャーマンの立ち位置は、正直なところ何とも言えません。なんとも言えなさ過ぎて、もはや何とも言えないところが特徴です。

 ライフが40あり、高水準なミニオンがそろっているのでアグロが苦手でもないですが、除去が少なく盤面を取り返しづらいので得意とも言えません。
 「貪り喰らうものミュターヌス」や「デナスリアス陛下」の雄たけびを「スバラシインコ」や「ボルナー・ハンマービーク」で使いまわす動きはバリュー勝負で強力ですが、それ以外はミニオンを並べ続けることしかできず、コントロールに強いとまでは言えません。

 

スバラシインコ

 

 よく言えばどのデッキにも勝てるし、悪く言えばどのデッキにも負ける。プレイヤースキルが試されるデッキといえるでしょう。

 ただ、こうした「足を引っ張らないデッキ」は、4デッキ揃えなければいけないマスターズツアーのルール上「数合わせ」として価値があり、案外見かける機会は多くなるかもしれません。

 

【サンプルデッキ 40枚雄たけびシャーマン】


 最有力は40枚ランプドルイド。必須枠ではないですが、新カードの「滴性手続き」や「弁拷士」が使われることもあり、地味ながら強化されてはいます。

滴正手続き

弁拷士

 

 しかし、新カードはデッキパワーを大きく底上げするほどのパワーはなく、ランプドルイドは「野生の心のガフ」のナーフで負った手痛い傷からまだ立ち直れていません。マナクリスタルが空かどうかは地味に見えますが、かなり大きなナーフでした。ヒーローパワーの連打でマナ差を開け続ける動きがとても難しくなり、強みを大きく損ないました。

 とはいえ大量のトークン生成による「デナスリアス陛下」の爆発力は健在です。マナ加速、ドローの余裕を与えてくれるコントロールデッキ相手のカウンターとしては、今なお有効に機能します。

 アグロに弱いのは相変わらずですが、ウォーロック同様、コントロール殺しを期待される存在です。

 

【サンプルデッキ 40枚ランプドルイド



 いつの間にかとんでもないデッキが開発されていたので紹介しておきます。

 

【秘策ヴァンダルローグ】

 

 「影隠れ」「鋸歯の骨針」「スキャブス・カッターバター」「影業師スキャブス」のいずれかで「ヴァンダル・ストームパイク」のコストを軽減することで、3,4コストのミニオンを入れながら無理やり「ヴァンダル」を起動させるデッキです。2コストにミニオンを入れられませんが、2コストに優秀な秘策がそろったことでデッキとして形になりました。

 

ヴァンダル・ストームパイク

 

 コスト軽減さえできれば、「現地連絡員」「デファイアスの親玉エドウィン」で大量ドロー・大量展開をしながら、「不気味な墓穴堀り」で対戦相手の手札から対処札を抜き去り、さらには「ネクロロード・ドラカ」から巨大な武器を振り回す最強デッキです。コスト軽減さえできれば。大事なことなので繰り返しますが、コスト軽減さえできれば、ね。

 「ヴァンダル」を引けなければ始まらないという致命的な欠点を持ってはいますが、回った時の強さは環境随一です。展開しながら同時に相手の手札を攻められることは、このデッキだけができる唯一無二の動きで、劇的な強さを誇ります。

 「ヴァンダル」のライバルである「ドレクサー」は暴れすぎてナーフされました。「ヴァンダル」も「ドレクサー」の後を追うことになるのか。答えはここ数日で決まります。

 「ヴァンダル」の運命やいかに。

 

残念ながら今環境にウォリアーはいません。

持っていくのはルビーさんだけです。

 

 

 

さあ、開幕まで秒読み、2022年度マスターズツアーの大トリとなる、「マスターズツアー:虐典裁判」。

全九クラスの活躍を見逃すな!!

万が一ウォリアーが活躍するようなら謹んでお詫び申し上げます。

ハースストーン JAPAN CUP 2022 Summer トップ8 大会レポート

勝利報告なんて何年ぶりだろう。

 

デッキはアグロドルイド、ミラクルローグ、ナーガプリースト

ランプドルイドしばき倒したい構成。

一人でうんうん唸って持ち込んだ構成だけど、shanOzさん、Dconさん、shuzoDSさん等、名だたるアグロスキー達と構成同じで自信になりました。

 

一回戦 bye

大会久しぶり過ぎて「大会始まったらしいけど俺だけ対戦相手と出会えないやばいやばい」と動揺してしまう。トーナメント表をみて冷静さを取り戻し辛勝。

 

二回戦 vs  sto

〇 アグロドルイド vs ミラクルローグ

snowさん配信で「トログに『野生の紋章』つけられるのが」いちばんきつい」言ってたので実践してみたらぼこぼこにして勝ち。

 

 

〇 ナーガプリースト vs ミラクルプリースト

「ヘビカズラ」二枚、「光熱のエレメンタル」、「プリーステス・ヴァリシュ」がうっかりそろったせいで、5ターン目に21/27が二体並んで勝ち!

正直すまんかった。


 

三回戦 vs tepepe

✕ ミラクルローグ vs ミラクルローグ

コンボターンに「段取り」を使うタイミングを間違い、二マナ損してヒーローパワーを持てなくなったせいで1点足りなくて負け。

ミスったやつにはトップドローで打点なんか引かせてくれんわな。

 

〇 ナーガプリースト vs ビッグスペルメイジ

「野蛮な魔術師」でコスト交換となったのがよりによって一番重い「超越者の恩寵」という超越ラッキー。しかも下がったほうは盤面をひっくり返される「大魔術師のルーン」じゃない大ラッキー。

盤面の圧で勝ち!

 

 

〇 ミラクルローグ vs ビッグスペルメイジ

手札を「十面相のマエストラ」一枚にすることで「野蛮な魔術師」を空ぶらせることに成功。トップから「デファイアスの親玉エドウィン」も駆けつけてリソース回復し、中ぐらいのミニオン並べ続けるテンポプレイが決まって勝ち!

 

 

四回戦 vs ねーちゃん

〇 ナーガプリースト vs ビッグスペルメイジ

「ヘビカズラ」、「高熱のエレメンタル」、「密言・貪」、「祝福」がそろったので6ターン目に22点パンチをどすこいして勝ち!

 

〇 ミラクルローグ vs ランプドルイド

相手マナ加速をなにも引けない大事故。

こちらコンボパーツをなにも引けない中事故。

「狂乱公爵シオター」をだされ、これでコンボパーツを抜かれるのがミラクルローグの負け筋だが、手札に何もコンボパーツがないのでまさかのノーダメージ。

終盤「貪食のデヴォーラー」にミニオン食べられるも、「シオター」でもらった「貪食のデヴォーラー」が食べ返し、「デナスリアス陛下」回復を乗り越える15点パンチで勝ち!

 

五回戦 vs  katagami 配信台

配信で「この二人戦績も同じくらいのイメージ」と言われてましたが、当方マスターズツアー勝率35%のナメクジなので比べられるのもおこがましいです。

生きててすみません。

 

〇 ナーガプリースト vs ランプドルイド

「ダークウォーターの書記官」「ヘビカズラ」のロケットスタート決めて「高熱のエレメンタル」も揃って順調なのに、「プリーステス・ヴァリシュ」引いてスーパーコンボ決めたいと欲張って始動が遅れる。

コンボ中に焦ってどうせ「貪食のデヴォーラー」に食べられるのが見えてるのに「祝福」を無駄打ちしてしまうミスもあったが、「超越者の恩寵」で「貪食のデヴォーラー」コピーしたクソデカ挑発が味方を守って、返しに勝ち!

 

 

✕ アグロドルイド vs ランプドルイド

「アイアンディープのトログ」を挑発で守る対ランプドルイド勝戦術をとるもなぜか呪文使われないまま盤面返されて負け。

おかしい、こんなはずでは・・・。

 

〇 アグロドルイド vs ビッグスペルメイジ

初手「獰猛なスリザースピア」「生きている根」「自然の伝令」のスーパーハンド。3ターン目に「自然の伝令」を使えるのが素晴らしすぎる。

いったん「ダマラセヒトデ」されるも「群れの怒り」まで引き込んで圧力で勝ち!

 

 

今日も勝つ!!!

HS殺人事件!! HSの親が「再現性」によって殺された!?

(1)前書き

もう何年間同じゲームを続けているだろう。

もう何時間同じゲームをプレイしているだろう。

 

ハースストーン(Hearthstone)』はブリザード・エンターテイメントが開発したデジタルコレクティブルカードゲーム(CCG)。2013年の3月にPenny Arcade Expoにて発表され、2014年3月11日にリリースされた。 『ウォークラフト』シリーズの世界観を背景とする、デジタルカードゲームとして開発された。リリース当初の名称は『Hearthstone: Heroes of Warcraft』であった。

ハースストーン - Wikipedia

 

リリース当初からハースストーンをプレイしている方なら8年。

ピカピカのランドセルを背負った小学一年生が、青春真っ盛り甘酸っぱい思い出や消したい黒歴史を積み重ねる中学三年生になる年月。小学一年生から中学三年生まで同じゲームを続けている人なんていない。

いないよね?

 

私も今まで何度も「ハースストーンも飽きてきたな、ほかのゲームしてみよう」と浮気心を出しながら、「なんかしっくりこないな、ハースストーンでもするか」と甲斐性のない亭主のように復縁を繰り返しています。

何年も遊び続けられるほどに、ハースストーンは面白い。

それは一重に面白さを更新し続けてくれているゲームデザインチームのおかげでしょう。不満はないわけではないですが、なんだかんだこんなに長い時間遊べているのは彼らのおかげなのは間違いありません。大事なことなので二回言いますが、不満はないわけでは、ないですけどね。

 

最近のゲームデザインの方針として、「再現性」と「ゲームコントロール感覚」の二つが両輪となっているように感じています。後者はまた後日機会を見て取り上げるとして、今回はテーマは「再現性」です。

 

ここでタイトルに帰ってきます。

意味不明なタイトルの意味を解説しておきましょう。

 

「デザインチームは『再現性』を親の仇のように嫌っている」

 

 

(2)「再現性」とは

これだけ長く続けば、プレイヤー側には当然「飽き」が生じてくるのは仕方のないことです。飽きてしまえば当然人は去ってしまう。それを恐れてハースストーンは常に新しいゲーム体験を提供することを目指しています。同じことが繰り返されない=「再現性」の否定、によってプレイヤーを飽きさせないことが、デザインチームの最優先課題です。(と私は感じています)

 

「再現性」は「長期的再現性」と「短期的再現性」の二つに分けられます。

分かりやすく言えば、

「長期的再現性」・・・やってること〇〇年前と同じやんけ!?

「短期的再現性」・・・毎ゲームやってること同じやんけ!?

の二種類です。

 

 

(2)ー(A)「長期的再現性」

例えば最近フェイスハンターが復権していましたが、「野生精種」という新しいシステムをメインに据えています。野生精種がどれほどのポテンシャルを持っているのか、ワクワクした方も多いのではないでしょうか。

野生の精霊

 

これがいまだに「レプラノーム」や「獣の相棒」で戦っているようではさすがに面白くありません。ハファーにお祈りするのは平成でやりつくしました。もういいでしょう。レオック、お前は呼んでないって何度言ったらわかるんだ、帰ってくれ、野生に。

 

獣の相棒

 

また、デザインチームお気に入り、「クエスト」が過去四度も登場してるのはこの理由です。「クエスト」はゲームプレイの全く新しい指針を提示するので、長期的再現性の否定という意味では最高のシステムです。同じミニオンを何度も手札に戻して出したり、自分の体力を自分で削り続けたり、「クエスト」がなければ存在しなかった、全く新しいゲーム体験を提供します。

地底の大洞窟

 

悪魔の種

 

 

(2)ー(B)「短期的再現性」

もし毎回デッキ30枚から好きなカードを選べるなら、毎ゲームほとんど同じゲーム展開ができるでしょう。インプウォーロックで毎回「むしゃくしゃ司書」「悪徳の図書室」「悪鬼の輪」のロケットムーブを決めるのはちょっと楽しそうですが、同じことの繰り返しではやはり飽きてきそうです。カードゲームはそうならないようにドローというランダム性で選べるカードを制限することで、毎回のゲーム展開を違ったものにして、飽きにくいようにしています。

ハースストーン特有のRNG要素も毎回違ったゲーム展開を演出します。一番顕著な例は「発見」に代表されるカード生成効果です。

再起

大当たり!

 

カード生成効果はあまりにも多すぎて今年からその数は減らすようになりました。あまりにも多かったということは、短期的再現性を否定できるこのシステムの価値が高かったということを意味しています。毎回違ったゲーム展開を楽しめる、デザインチームはこの観点を最大限重視しています。

過去に何度も登場している「ハイランダー(デッキに重複するカードがない場合発動する)」「進化」も同じ理由です。デッキが全部一枚ずつであれば、毎回様々なカードを使うことになりますし、進化で出てくるミニオンなんて毎回毎回バラバラです。

 

レノ・ジャクソン

 

進化

 

最近登場した「レナサル太子」による40枚デッキも、デッキ枚数を増やすことで採用カードの種類を増やし、「短期的再現性」の低下を目指しています。そういった目的が裏にあるため、こんな効果も出るかもしれないとよく挙げられる、「デッキを20枚にして体力20スタートにする」カードは絶対にでてこないと断言できます。「短期的再現性」を助長するようなことは、今までのゲームデザインの方針と矛盾するからです。おそらく、40枚デッキは「ハイランダー」と同じように何度も登場する半レギュラーシステムになると思われます。上述の通り、「短期的再現性」を低下させるシステムは何度も再登場してきた歴史があります。「40枚にすることでクエストがゲーム開始時からセットされる」新型クエストや、「40枚にすることで特殊なヒーローパワーに変更できる」新型ヒーローカードなどが、「レナサル太子」退場後にでてくるのではないかと予想しています。

 

レナサル太子

 

 

(2)ー(C)二つの再現性への同時対策

今までの説明で、デザイン陣が二つの「再現性」への対策に終始してきたことが伝わったと思います。

その二つを同時に対策できるなんて、夢のような話が実はあるんです。

 

カザカサンレディ・プレスター狂気のデッキ

 

「宝物」デッキで戦うなんて今までありませんでしたよね。今まで存在しなかった新しいゲーム体験は「長期的再現性」対策にバッチリです。また、毎回違う「宝物」が提示されるので毎回違ったゲーム体験となるため「短期的再現性」対策もバッチリ。残りの二枚についても理由は同じです。

 

これらのカードこそプレイヤーを飽きさせない完璧なゲームデザインです!!

やったぜ!!!

ハースストーン最高!! アヤラ最高!!

 

 

 

 

 

 

本当にそうか?

 

 

(4)総括

皆さんはこれらのカードデザインにどうような評価を持っているでしょう。賛否両論あるかとは思います。

ちなみにあえて個人的な評価を言わせてもらえば、私は気に食わないです。

私と同じようにこれらのカードデザインが気に食わない方は、当然次の疑問に行き着くはずです。

 

 

そもそも、「再現性」を否定することはそんなに重要なことなのだろうか?

 

 

上記の説明からすれば、囲碁、将棋、チェス等は「再現性」の塊です。では囲碁は同じゲーム展開の繰り返しでプレイヤーはすぐ飽きてやめてしまったのでしょうか。今日まで何百年続く囲碁の発展の歴史を見るに、そんな問いは愚問でしょう。

新弾を常に売り続けなければいけないTCGとでは事情が違うのはありますが、「再現性」の有無がゲームの魅力の全てではありません。

 

至極当然、単純な話として、一番はゲームが面白いかどうかです。

 

面白いかどうかはそれぞれの主観によるものでデザインチームからしたら頭の痛い問いでしょう。それがわかれば苦労はしません。
それでも、今年に入ってカード生成効果が減ったり、「吸魂」によって盤面の重要性が増したり、「狂乱公爵シオター」によってOTKへの牽制を用意したり(「シオター」の是非についてはここでは棚上げします)、デザイン側はプレイヤーの意見を聞きながら答えの見えない問いに挑戦している姿勢はうかがえます。

期待しましょう。

大事なことなので三回も言っちゃいますが、不満がないわけではないですけどね。

 

 

最後にここまで読んでいただいたささやかなお礼として、「再現性」というデザイン観点から推測できる次回のナーフ予想をこっそりお教えします。

 

ネクストナーフズヒント!!

 

 

え、知ってた!?

ハースストーンメタゲーム的に考える、それでもあなたが選挙に行くべき理由

2022年7月10日、第26回参議院選挙が行われました。

 

選挙結果に喜んでいる方、不満な方、そもそも興味のない方、様々いることでしょう。

政治の話はどうしても主義主張がぶつかり対立を煽りやすいため、話題としてはタブーとされています。この記事は特定の政治的主義主張を述べるつもりはありません。政治の話にありがちな、説教臭い講釈や小奇麗な理想論を振り回すつもりもありません。

 

先に結論を言うと、

「当選・落選の結果にかかわらず、選挙に参加することに価値がある」

という内容になります。

 

一つ断っておくと、以下の内容は選挙が持つ様々な要素の中から、一つの側面にだけ注目したある種の暴論でもあります。「こういう考え方もできるんだな」ぐらいに思ってもらえれば幸いです。

また、展開の都合上読者を30代以下を想定したものになっています。30代以下以外の方は「自分の年代の利益を守る」という意図で読み替えてくださるようお願いします。

 

 

まず、選挙をハースストーンランク戦に置き換えて考えてみましょう。

ランク戦(選挙)でトップ50フィニッシュ(当選)をすれば、マスターズツアー参加権利を得られる(国会議員になれる)とします。

ランク戦で勝つために必要なことはメタに合致した最強のデッキ選択(政策や主張の方針)です。ハースストーンプレイヤーがHSReplayに代表される様々なデータで分析するように、政治家も様々なデータを分析して最適なデッキを探します。環境にどんなデッキが多いか(国民にどんな人が多いか)を調べると、こんな統計が見つかります。

 

統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐ (stat.go.jp)

 

さらにいえば、最も大事なのはランク戦で対戦するデッキ(投票する国民)です。カジュアルで対戦するデッキ(投票しない国民)は重要ではありません。それも調べるとこんな統計が見つかります。

 

総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について (soumu.go.jp)

 

この二つの統計から「年齢別人口で見ると50~70代以上が多く30代以下が少なく」、「投票率で見ても50~70代以上が高く30代以下は低い」ことが分かります。このままでは分かりにくいので、50~70代以上をイノシシプリースト、30代以下をフェイスハンターに例えて話を進めます。つまり、現在の日本の選挙を取り巻く状況をハースストーンメタゲーム的に整理するとこうなります。

 

 

イノシシプリースト(50~70代以上)が多いならコンボ対策(年金対策)やバーストダメージ(医療費支援)、フェイスハンターが多いなら軽い除去(子育て支援)、装甲や回復(雇用対策)を採用することで勝率(得票率)が上がります。以上を踏まえたうえで、現在の日本のメタゲーム分析をすると使うべきデッキはどうなるか、おそらくみなさん、もう分かっているのではないでしょうか。

 

 

もちろん、「星海配列ドルイド」ですよね。
環境に多く存在するイノシシプリーストに勝率を出せるデッキを選択することが、メタゲーム的な正解です。フェイスハンターに「アイアンディープのトログ」「ワンワンビスケット」と動かれると一瞬でひき殺されてしまいますが、フェイスハンターは環境に少ないため、その弱みは十分許容できます。数の論理として、その弱みよりもイノシシプリーストに勝てることが圧倒的に大事です。

 

ここで投票者側に視点を移しましょう。

政治家側はランク戦で勝つ(当選する)ことが目的ですが、投票者側としては自分の対策デッキ(自分の利益につながる政策や主張)を政治家に使ってほしいわけです。例を挙げれば、フェイスハンター側からしたら、政治家側がコントロールウォリアーを使ってくれるのが理想です。しかし、残念ながらそれは叶いません。イノシシプリーストが多い環境でのコントロールウォリアーの選択は、メタゲーム的に不正解だからです。フェイスハンターに勝てることは十分な強みにはなりえません。

 

ではフェイスハンターはどうすればいいのか?

 

寝ころびながらtwitterで、

「星海配列はくそ。使ってるやつはカス。面白くないからブリザードは早くナーフしろ。盤面で戦うって言ってたじゃねえか、出てこい、アヤラ」

と愚痴っても星海配列ドルイドが減ることはありません。トップ50フィニッシュに人生が懸かっている政治家は、どんなに愚痴を聞こうが勝てるデッキを手放すはずがないのです。

 

じゃあどうすればいいか。

答えは単純です。

タイトルにも書いている通り、「それでも選挙に行く(ランク戦に参加する)」です。

 

ランク戦にフェイスハンターが増えることで政治家側が正解配列ドルイドを使わなくなる、のは理想ですが、現実はそうはいかないでしょう。仮に投票率が伸びたところで、そもそも分母である人口の数が違うのです。イノシシプリーストが多数であることは変わらず、その対策をするのが最も効率的です。

ただ、正解配列ドルイドを使うのは変わらないとしても、ランク戦でフェイスハンターが増えてきたとしたら、その中身は変わってきます。フェイスハンターにも多少は戦えるように、対策カードを数枚入れることに価値が生まれます。

 

連爆の魔術師

レナサル太子

公園のヒョウ

 

逆にフェイスハンター及びアグロデッキが環境からさらに数を減らせば、「大地のウロコ」「礁のドルイド」も減らして、さらに対コンボ特化の禍々しいリストに変わることだってあり得ます。

 

貪り喰らうものミュターヌス

剣匠オオカニ

バトルグラウンドのバトルマスター

 

デッキを根本から変えるまでは行かなくても、その構成を数枚なら変える、もしくは変えないための牽制となる。これこそが「選挙に行くべき意味」です。

 

政治家は分析するはずです。私たちがHSReplayを分析するのとは比較にならないぐらい、資金も、人員も、時間も使って。来月のランク戦(次の選挙)もあります。ランク50フィニッシュ(当選)したから、めでたしめでたし、では終わりません。誰が、どこに、どれほど投票したか、全力で分析します。そこでフェイスハンターの数が多いとは言わないまでも、増加傾向を見つけることがあれば、どうでしょう? 「40枚型星海配列ドルイド」を使う理由になりえるとは思いませんか?

 


・一票入れたところで結果は変わらない。

・政治に詳しくないからどこに投票していいか分からない。

・政治家を誰も信用できない。

選挙に行かない理由としてよく使われるフレーズです。

 

現実として、投じた一票によって選挙結果が変わることはありません。落選者にあなたが投票していたとしても、その一票によって結果が逆転するわけではありません。

 

しかし、その一票には「力」があります。

 

ランク戦に参加しましょう。

「トログ」に「ビスケット」を食わせて、「狙い撃ち」で速やかにゲームを終わらせましょう。政治家側がこちらの対策をしたくなるまで、フェイスを殴り続けるべきです。プレイング(政治)がよくわかっていないから勝率が出ない(どこに投票するかわからない)と、参加を控える必要はありません。どこに投票したとしても、その意図は政治家側が勝手に分析してくれます。もちろん詳しいのは理想ですが、少なくとも行かないよりはずっといいです。

 

 

結果は変わらなくても、

どこに投票していい分からなくても、

政治家を信用できなくても、

「あなたが選挙に行くことには価値がある」ことを、どうか知っていてほしいのです。